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政治危機で金融市場動揺=株価が9・16%も下落=カントリーリスク、ドル続騰=政府、カーニバルで時間稼ぎ

2月21日(土)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十日】サンパウロ市証券市場は十九日、PT政権発足以来の不祥事を受けて動揺、政治危機の様相を呈してきた。株価指数はジルセウ官房長官の元側近による賄賂請求の報道から九・一六%も続落、カントリー・リスクやドルも続騰した。景気回復や雇用改善の遅れで大統領支持率に陰りが見え始めた中、野党からCPI(議会調査委員会)設置を要求され、政府は対処に窮しているとの見方が金融市場を覆っている。

 投資家らは元側近の不祥事で、次々出てくる告発に警戒している。官房長官辞任の噂が持ち上がるなど政治不安をかもしたことで、金融取引の解約が相次いでいる。カーニバル明けに不測の事態を招き、外れくじをつかまされたくないのが本音のようだ。
 政治危機への与党執行部の対応のまずさに加えて、通貨審議会(COPOM)の基本金利(SELIC)据え置き決定の追い打ちは、現政権の積極的な政策の欠落を見せつけた。不祥事に関するCPI設置の可能性をはらみ、政府はその〃消火〃活動に専心するあまり、政治が空転しないかと国際金融が恐れている。
 ルーラ大統領は不祥事による政治不在の印象を払拭するため、各省庁に官民合同プロジェクトや電力エネルギー計画、海外からの投資を促進する会社法改正案の即時審理を命令した。大統領は執務進行の平常化を進めるため、ウベラーバの国道開通式に臨んだ。
 大統領府は、官房長官を始め全員平常勤務に服した。会議では、ジョークなどを交え正常化を演出している。バストス法相は不祥事を犯罪問題として扱い、政治問題から回避する方向へ処理すると述べた。元側近のジニス前国会対策副委員長に手錠をかけて拘束することで、国民の納得を得る考えのようだ。
 党執行部は、官房長官に元側近のことは一切発言しないよう忠告した。カーニバルを利用して長期休暇とする。CPIで興奮している上院を三月から平常化し、大統領府は時間稼ぎをする。