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サンパウロ州サッカー連盟 汚職問題が発生=監査人が賄賂要求=判決撤回条件に取り引き

2月21日(土)

 【サンパウロ州各伯字紙スポーツ面十八~二十日】サンパウロ州サッカー大会が一月二十一日から開かれている。九日、サッカークラブ(FC)「オエステ・デ・イタポリス」が不正に選手を使って試合をしたことで、サンパウロ州サッカー連盟(FPF)のスポーツ裁判所(TJD)から減点十二点および罰金一万レアルの処分を受けるという事態が発生した。だが十八日、オエステが「FPF裁判所の監査人から『二十万レアルの賄賂(わいろ)を払えば判決を取り消す』と恐喝された」と告発。その証拠である会話の録音テープをマスコミに公表し、新しい幹部が入ったばかりのFPF汚職問題として世間に衝撃を与えている。
 これまでの〃オエステ事件〃のいきさつは次の通り。
 九日、オエステは、サントスとサント・アンドレーとの試合で、ダニエル、アドン、マルセーロ・サントス選手の三人を不当に試合に参加させた件で、同裁判所から罰金一万レアルおよび減点十二点の処分を言い渡された。今年初めて最高位であるA1リーグに昇進したオエステにとって減点は大きな打撃だった。大会開始早々、A2リーグに落ちたのである。
 三人の監査人のうち二人がオエステに対して有罪判決を下した。その一人はワシントン・R・オリヴェイラ氏だった。先週(九~十三日)、同監査人は、元マリーリアFC会長のエリー・ビスカロ氏と、オエステについて話し合った。
 十三日、ビスカロ氏はオエステFCのマウロ・ゲーラ会長宅へ向かった。ゲーラ会長は、同じくサンパウロ州イタポリス市出身のジェラウド・ヴィニョーリ同州議員(PDT=労働民主党)から、会話を録音するようにアドバイスされており、それに従ってFPFのスキャンダルであるビスカロ氏の爆弾発言を録音した。
 録音の一部は次の通り。
 ゲーラ▼どうだった?
 ビスカロ▼良かったよ。マウロ、君に以前話した通り・・・。物を渡すなら約束は守る。(・・・)彼(ワシントン)は二十万といった。(・・・)彼はわたしに一部を渡すが、それ以下では話はなかったことにすると言った。他言するなともな。(・・・)支払いは月曜日(十六日)だ。
 ゲ▼そんなに早くか?
 ビ▼(・・・)彼は「絶対に二十万でなきゃやらない」と言ったんだ。わたしも「ワシントン、あいつらも必死で経営やってんだぞ」と反論したが、「あいつには味方の州議員がいるだろう。間違っても十一万九千でいいかと聞きに来るなよ」と彼に言い返されたよ。
 ゲ▼そうか。
 さらにゲーラ会長によると、ビスカロ氏はワシントン氏が本当に発言したことを証明するため、会長の目の前で監査人に電話したという。
 十六日、同裁判所で予審が開かれた。ワシントン氏は突然、ナイエフ・サアド・N裁判長に「自分の票を替えたい」と言い出した。裁判長は驚いて、「それはできない」と返答。同日夜、サアド裁判長はデル・ネーロFPF会長に呼ばれ、裁判所関係の告発があったと知らされた。録音を勧めたヴィニョーリ議員もいた。
 二十日の情報によると、ビスカロ氏はバンデイランテス・ラジオ局のインタビューで、オエステ処罰の判決を覆す代償としてゲーラ会長に二十万レアルを要求したことを認めた。「ワシントン、あなたの名前を交渉中に出したことを詫びたい。あの値段(二十万レアル)は、わたしがオエステFCを弁護するための手数料のようなものだった」と弁明している。