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信者獲得に新戦略=サンパウロ市=巨大教会、続々と出現

2月24日(火)

 【ジアーリオ・デ・サンパウロ紙】廃業した映画館や倉庫を借りる時代はまもなく終わるだろう。サンパウロ市にあるカトリック以外の教会が個性を主張し始めた。ショッピングセンターの大きさを有し、サッカー競技場ほどの収容能力を持つ教会もあれば、建築美を誇る教会も出現している。
 サンパウロ市最大の教会は〇四年一月一日に中央区で落成した、「デウス・エ・アモール(神は愛)」の新世界本部で、面積はセー大聖堂が十四個も入る七万平方メートル、高さは五十メートルにもなる。
 昨年まではサンパウロ市南部サントアマーロ地区にある「イグレージャ・ウニヴェルサウ・ド・レイノ・デ・デウス(神の王国世界教会)」の「テンプロ・ダ・フェ(信仰教会)」が、五千人の信者の収容能力があり、サンパウロ市最大とみなされていた。首位の座を譲っても、黄金色の派手な円柱、クッションの入ったひじ掛椅子など、その威容を維持している。
 これらの教団は巨大教会の建設費を明らかにはしていない。説教の中で、牧師、伝道師たちは信者が建設費を寄付する必要性を訴える。
 大サンパウロ市圏コチア市で昨年落成した中南米最大の仏教寺院は、約六百万レアルの建設費をすべて寄付でまかなった。一五万平方メートルの土地に教室、瞑想室、図書館、寮、寺が宮殿スタイルで建設された。建築面積は一万平方メートルに上る。屋根の瓦と四トンにもなる数十体の仏像は台湾から輸入された。
 宗教研究者によると、巨大で豪華な教会や寺院は外観を目立たせ、より多くの信者を得ることを目的とし、各宗教団体のマーケティングにおいて重要な位置を占めるという。「宗教団体の間には競争がある。豪華な建物はそれを裏付けている。信者の中には団体を渡り歩く人たちもいるからだ」とカトリック大学の社会学者、アブマンスール氏はコメントした。