2月24日(火)
パリ、ニューヨーク、ブエノスアイレス……今度は東京、京都へ。ここ最近世界各地を巡回し話題を呼んでいるブラジル近現代美術の展覧会(企画=東京都近代美術館)が今年、いよいよ日本でも開催されることが明らかになった。ブラジル美術が日本で本格的に紹介された例は過去にほとんどなく、関係者、美術ファンの期待をいまから集めている。
展示テーマは「ブラジル、ボディ・ノスタルジア」。さしずめ、「ブラジルという肉体への郷愁」とでも邦訳できようか。タルシラ・ド・アマラル、リギア・クラルキ、ミラ・シェンデル三人の女性作家を重点的に取り上げつつ、ブラジルの文化形成、美術の系譜に迫った内容になる。
二〇〇一年、ニューヨーク・グッゲンハイム美術館であった「ブラジル、肉体と精神」展の成功が大きな刺激となっている。市民の反響から開期が延長され、ブラジル文化への関心に繋がった経緯がある。
昨年末に来伯した今展の日本人企画者はフォーリャ紙のインタビュー(十二月十日付)でニューヨークでのこの企画を称え、「日本人の大半はブラジル美術になじみがないので、歴史的な流れをしっかり紹介し、新世代の現代美術までみせたい」と意気込んでいる。
協賛するのは文化事業財団ブラジルコネクツ。エジマール・シジ・フェレイラ代表は同じ紙面で、「日本移民百周年への〝前菜〟になるはず」と語り、「二〇〇八年にはブラジルで日本美術、日本でブラジル美術の大きな展覧会を検討している」と、メイン・ディシュ(主菜)はあくまで四年後にあると明言。
目下、百年祭事業がさまざまな形で検討されるなか、文化事業団体の雄、ブラジルコネクツの動きからも目が離せない。
「ブラジル、ボディ・ノスタルジア」展は今年七月、東京。翌月、京都に巡回する。両都市の近代美術館が会場となる。