「わたしは老人が好きなんですよ」とは、心から出た素直な言葉のような気がした。
グアルーリョス市の老人ホーム「憩の園」。JICAシニア・ボランティアとして入居者の介護にあたる清岡弘子さん(六七、高知県)は言う。
過去、九四年からの二年間はサントス厚生ホームで働いていた、とことん福祉の人。昨年、「老人週間」の出し物で、痴呆の役を演じた茶目っ気もある。
「憩の園」では約九十人、七十五歳から百四歳までの高齢者が暮らす。介護の現実は厳しいに違いないが、「逆に私の方が力づけられているような……」と。入居者から次のように激励されたこともあるそうだ。
「福祉は大工さんと違って成果が目に見えない仕事。でも私たちの心には大きな思い出が残っているから」。 (大)
04/02/20