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サンパウロ市カーニバル モッシダーデ優勝=ガヴィオンエスは格下がり

2月26日(木)

  【各伯字紙二十四日、二十五日】サンパウロ市で二十四日午前、同市カーニバルの審査員らが採点結果を発表した。今年度の優勝者はエスコーラ・デ・サンバ(サンバ学校)「モッシダーデ・アレーグレ」。二百点満点を獲得し、二十三年ぶりの優勝となった。一方、コリンチアンスFCのファンで結成され、四回優勝経験のある「ガヴィオンエス・ダ・フィエル」は、二十四日付の本面で報じた通り八点減点処分になったほか、想像以上に成績が悪く、最下位の十六位に転落。十五位の「ウニードス・ド・ペルッシェ」とともに第二リーグへ落ちるという異例の事態が発生した。そして皮肉にも、ライバル・パウメイラスFCのファンのエスコーラ「マンシャ・ヴェルデ」と、「トン・マイオール」が第一リーグへ浮上した。

 サンパウロ市カーニバル開催委員会は、今年だけ特別にサンパウロ市制四百五十周年関係のテーマに絞るよう要請していた。昨年、〇・五ポイント差で惜しくも準優勝となり、苦い思いをしたモッシダーデは、今年のテーマに現在のサンパウロ州に大きな影響を与えた各国の移民たちを選んだ。
 テーマ曲名も「海の彼方から霧雨の大地へ…これらの素晴らしい人々を称えよ」。移民船や移民たちを乗せたボンデ(路面電車)などの山車が、デスフィーレ(パレード)当日に降った霧雨に映えた。まるでテーマ曲に合わせて雨が降ったかのようにも見えた。
 移民が盛んな頃、サンパウロ州ではコーヒー栽培が盛んだった。そこで同エスコーラは、会場にコーヒーの香りも漂わせた。イタリア移民やポルトガル移民などのアーラは色彩鮮やかなデスフィーレを披露。もちろん日本からの移民たちも忘れられず、日本の国旗を掲げた移民船が印象的だった。
 〇・五ポイント差で「X―9パウリスターナ」を二位に落としたモッシダーデ。その差はバッテリーア(打楽器奏者団)にあった。同エスコーラ会長の夫、マルコス・R・ナッシメントさん(三二、通称ソンブラ)は、奏者団を紹介して踊るだけという花飾り的なバッテリーアの女王に、奏者団の進行総括役を務めさせた。今年の女王はナーニ・モレイラさん(二五)。羽飾りは一切付けず、奏者たちと同じようにタンバリンを演奏しながら踊り、バッテリーアの総括もこなした。
 一方、ガヴィオンエスは、第二リーグ落ちという結果に落胆した。結果の発表中、第二リーグの勝者がマンシャだと聞き、「ポルコ(ブタ。パウメイラス・ファンのあだ名)が上がりやがった」とさらなる悲しみを隠せなかった。同エスコーラのロナウド・ピント会長は、「我々の山車は大きく、美しかった。なぜあのような点数を食らったのか分からない」と激怒。「来年必ず優勝し、〇六年には再び第一リーグで勝負する」と約束した。
 第一リーグ入りを果たしたマンシャのパウロ・セルダン会長は、ガヴィオンエス落下について「もし、我々の山車がガヴィオンエスのように壊れていたら、我々の仲間が門までしっかり押し出したさ。せっかく来年対戦できると思ったのに、幻滅した。でも次に上がってきた時には、喜んで勝負に応じる」と言明。「昨年はパウメイラスもろとも第二リーグ落ちだと奴らに笑われた。勝利の味はさらにうまいものとなった」と、サッカー・ファンらしい挑発をした。ちなみに、山車は人間が何人も上に乗るので、容易に動かせるものではなく、数十人いても恐ろしく重いという。

リオのカーニバル

 二十二日、二十三日の二日間にわたって開かれたリオのカーニバル(第一リーグ)では、初日に「エスタソン・プリメイラ・ダ・マンゲイラ」と「ポルテーラ」、二日目には「インペラトリス・レオポウジネンセ」と「ウニードス・ダ・ヴィラドウロ」が優勝候補だとうたわれている。
 マンゲイラは、ブラジル植民地時代のミナス州やリオ州の金鉱をテーマにした。歴史的人物であるチラデンテス、シッカ・ダ・シウヴァ、タンクレード・ネーヴェス元大統領などをコミッソン・ダ・フレンテ(デスフィーレの最初に出る)に入れる工夫をした。対してポルテーラは、一九七〇年にテーマにしたアマゾンに再度取組み、観客たちを感動させた。
 また同日、性的要素が強すぎる山車をカーニバルに出さないよう裁判所から命令されていた「グランデ・リオ」も登場。カーニバル職人のジョアンジーニョ・トリンタは裁判所や教会側に抗議するため、その山車に黒いプラスチックをかぶせ、「センスラード(年齢制限違反)」という巨大な札を張り、そのままデスフィーレに出した。
 二日目、インペラトリスは、ブラジルの国名の由来であり、赤原色の染料として輸出されたパウ=ブラジル(ブラジルの木)をテーマに、赤をメインとしたデスフィーレを披露した。一方、ヴィラドウロは、一九七五年に他校のテーマだったシーリオ・デ・ナザレー祭をテーマに、信仰心を重視したデスフィーレを見せた。
 二十五日午後三時三十分から、リオのカーニバルの採点結果が発表される。リオの優勝者については二十七日付の本面に掲載する。