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ブラジル北東部、2年分の水確保=大雨が”恩恵”も=カンタレイラは11,7%に急増

2月27日(金)

  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十六日】年初から続く大雨は、大被害を受けたブラジル北東部地方に朗報をも、もたらした。水資源庁(ANA)の報告書によると、今年の雨期に同地方の巨大貯水池は二年分の供給量を確保できるとみられている。
 ブラジルでは雨期が始まった昨年十二月以降、大雨によって九万七千人以上が避難所へ、十三万四千人が親類などの家へ避難した。八千軒の家屋が全壊し、四万一千軒が半壊した。
 十五年間満水状態にならなかったオロス貯水池を始め、数カ所の貯水池は満水状態に近づいている。フォルタレーザ市から四百五十キロ離れた場所に位置し、ジャグアリーベ川をせき止めたオロス貯水池は、三百五十平方キロメートルの面積を有し、同地方で水利上最も重要な貯水池の一つ。
フォルタレーザ市では今回の雨期に、一九一〇年に観測が始まって以来、一日当たり最高の雨量が記録された。
 しかし、同報告書は既に満水状態で水の放流がコントロールできず、下流の洪水を引き起こしかねない小規模貯水池について懸念を表している。パライーバ市では二カ所の貯水池から水があふれ出し、下流では混乱が起きている。
 また、同報告書はサンパウロ市とリオ市都市圏に対しても警告を発している。同圏内で降る雨は、都市に水を供給する貯水池の水量にはプラスとならないからだ。
 シーロ・ゴメス国家統合相は二月、大雨による被害への対策費として三億三千九百万レアルの予算を計上したと発表した。同相はまた、洪水で全半壊した七百五十七校の学校の修復について教育省と検討中だ。
 カルナヴァルの間にサンパウロ市で降った雨により、カンタレイラ貯水池の貯水量は、二十日の全貯水量の六・六%から二十五日には一一・七%に急増した。この貯水量は昨年九月末以来の高いレベル。しかし、一年前のレベル(四二・九%)と比べるとまだまだ低いため、サンパウロ市の給水制限の可能性はまだ残されている。