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歌姫エリスの再来?=マリアリッタ 母の才、受け継ぐ娘

2月28日(土 )

  一九八二年一月十九日、三十六歳の若さで死去したブラジルの歌姫エリス・レジーナ。その愛娘(まなむすめ)であるマリア・リッタは、長い間歌手になることを拒んできたが、母を思わせる歌声をとうとう受け入れ、歌手になることを決意した。エリスの死を今日も嘆く数多くのエリス・ファンは、わずかな乱れもないマリア・リッタの透明な声に、エリスの面影を見ている。
 エリスの死から、ブラジルはエリスに並ぶ歌姫を探し続けてきた。レイラ・ピニェイロ、アドリアーナ・カウカニョット、マリーザ・モンテなど、数多くの女性歌手が現れ、その度に「歌姫の座云々」の報道が流れた。エリスほどの歌姫が現れることはもうないかもしれない。だが、エリスの遺伝子を受け持ったマリア・リッタなら、歌姫になることが可能かもしれない。遺伝子に記録された母の特徴が、正確なまでに彼女へ伝えられたからだ。
 マリア・リッタの音楽に対する情熱は七歳のころ、父親のコンサートを見た時から始まった。「わたしは子供だったので、あの時間帯にショーを見ることはできなかった。会場の明かりが消えてから控え室を出て、後ろの席に座って父のショーを見ました」。
 子供のころから歌の才に恵まれ、周囲から「絶対に歌わなくちゃ、もったいない」と言われた。「『わたしが歌手になるのは本当にわたしに歌の才能があるから? それともあの母の娘だから?』と疑問を感じていた。全く間違った理由で歌手になることを、母との比較以上に恐れていた」。
 マリア・リッタは周囲の圧力から逃れるように、十六歳から二十四歳までを外国で過ごした。「でも大学を卒業した後のある朝、目覚めてすぐ『自分がやってきたことはすべて間違っていた』という強烈な感覚に襲われたんです」。その事件があったのは一九九九年。二〇〇二年にやっと歌手として歌いだし、初CDをリリースしたのは二〇〇三年九月。約三年にわたって悩み苦しんだことが伺われる。
 彼女は声だけではなく、容姿や身振りまで母に似ている。だが、母の歌を聞き始めたのは十六歳になってから。しかも、好奇心から少しずつ聞いているというだけだ。「少なくとも今は、母が歌った曲を歌う気はない。母以上の作品に仕上げる自信がないから」。
      (エポカ誌)

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