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依然、厳しい雇用情勢続く=1千万人が失業中=大ポルト・アレグレ圏は改善

3月 2日(火)

  【アゴーラ紙二十八日、エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日、時事二十七日】ブラジルの失業者は一千万人―。二十七日発表されたブラジル地理統計院(IBGE)の月間就職調査(PME)によると、今年一月の失業率は前月比〇・八ポイント増の一一・七%へ悪化した。六大都市圏を対象とするPMEは、同地域の失業者数を約二百四十万人と報告しており、そのためブラジル全体では現在、就職口を必死に探す失業者が一千万人いると推算された。
 新しい失業者のほとんどは、クリスマス期に向けて増加した十一月、十二月のアルバイト業に就いていた人々である。クリスマス期の労働需要が一段落したためとみられそうだが、前年同月比でも〇・五ポイント高く、依然厳しい雇用情勢が続いていることが明らかになっている。
 六大都市圏全体の失業者数の約半数は大サンパウロ圏に集中している。同圏は全体の四七・五%に及ぶ失業者を抱えており、絶対数は九十五万人に相当する。
 大サンパウロ圏のほかに、大ベロ・オリゾンテ圏、大レシフェ圏、大サルバドール圏、大リオデジャネイロ圏でも同月、失業者数が増加した。唯一失業者数が減ったのは大ポルト・アレグレ圏である。
 また、今年一月の労働者の平均実質月収は八百五十・八レアルで、前月から一・九%増加したものの、前年同月比では六・二%減少している。
 六大都市圏での失業者は約二百四十万人で、前月から六・一%増加。男性失業者が四五・五%、女性が五四・五%の比率である。一方で労働者は前月から二・一%減少しており、一カ月間に三十九万人が職を失った計算になる。
 応用経済研究院(IPEA)のエコノミスト、ラウロ・ラーモス氏は、「ブラジルの雇用情勢はすでに病院で手当てを受けている状態だったが、二〇〇三年には集中治療室行きになってしまった」と言明。「ブラジル史上最悪の雇用情勢を示したのが〇三年だけで留まってほしい。今年は雇用面が少し良くなると思うが、〇三年度に期待していたほどではないと思う」と、悲観的な経済予測を出している。