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合併の可能性さぐる=在伯沖縄県人の2大団体

3月 3日(水)

  一九七一年以来、三三年間も分離していたブラジル沖縄文化センター(ジアデマ市)と沖縄県人会を、百周年を機に合併させる可能性をさぐる会合が二回もたれていることが、二月二十九日の同県人会の第六十七回定期総会で宮城調智会長から報告された。同時に、県人会の百周年のための記念基金創設と準備委員会結成も決議し、県人会史に残る大きな一歩を踏み出した。
 宮城会長によれば、山城勇さんを委員長とする合併を検討する委員会がすでに作られ、二回の会合が持たれた。県人会と同文化センター側から、それぞれ十二人づつの現執行部や歴代役員らが出席。現在までのところ、双方とも合併に前向きな態度を示している、とのこと。
 「まだ、何も決まったことではありません。合併できるかどうか、可能性を検討する委員会であり、今後細かいところまで調査しなくてはなりません。大事な仕事になります」と同会長は襟を正した。
 いずれ必要になる資金を今から少しずつ貯めておく必要から、百周年基金創設に関しても決議された。
 また百周年記念事業案として、笠戸丸の沖縄移民三百二十五人の名を刻んだ記念碑の建設、サントアンドレー支部からは『写真で見る沖縄県人移民百周年史』出版、ヴィラ・カロン支部からは「平和祈念碑」建立などが提案され、今後、百周年準備委員会で他の記念事業案と共に検討され、臨時総会で決議されることになった。
 その他、県人会誌『協和』の日ポ併記を希望するサンカエターノ支部の提案も行われ、執行部からは今年六月に発行予定の号から併記にするよう、すでに作業が進められているとの報告があった。
 カンポ・グランデ支部(MGS)は、サンパウロの本部から舞踏や太鼓の派遣をし、もっと公演を行ってほしいとの要望も出された。約百三十人が集まった同総会には、遠くはブラジリア、マリリアからも出席した。
 総会では〇三年度の業務報告、会計報告、収支決算報告、育成基金決算報告、会計監査報告があった。収支総計は六十万九千六百二十一レアルだった。昨年の九十五周年記念事業では約二十二万レアルの収入があり、十七万レアルの支出をまかなって黒字を出したことも報告された。ただし、資料館や会館の改修が予想以上にかかり、その分、繰越金が減少。松堂忠顕第一会計は「今年はさらに節約に励み、繰越金を増やしたい」と述べた。
 〇四年度の行事や事業計画案の審議、予算案の審議も行われ、最後に〇四~〇五年度の評議員の改選をした。午前十時から、協和婦人会が真心込めて作った沖縄ソバの昼食をはさんで、午後五時まで熱心な議論が、日ポ両語でバランスよく行われた。