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講道館九段贈られる=レジストロの小川さん

3月 3日(水)

  [レジストロ]去る十二日、レジストロ文協会館で、レジストロ在住の小川信雄さん(八三)に講道館九段の帯と、川口順子外相からの表彰状が菅信夫パウリスタ柔道連盟会長代理に手渡された。講道館柔道の九段はサンパウロ州には小川さんを含め七人といわれる。
 この伝達式は、パウリスタ柔道連盟主催、レジストロ市役所、レジストロ柔道協会、レジストロ文協後援で行われた。連盟からは菅さんと技術部長の篠原正夫さん、レジストロからは小川さんの家族、山村俊明文協会長、塙晃レジストロ柔道協会会長はじめ、市会議員、招待客ら百八十人が出席した。
 小川さんは神奈川県出身、十三歳で家族とともにレジストロ入植、十七歳のとき、サンパウロの伯父、小川竜造さんの武道館で柔道を始め、長年、レジストロ、ヴァレ・ド・リベイラ地方の柔道の発展に尽くした。二〇〇一年にはレジストロ名誉市民権が贈られている。小川さんは、伯父にいわれた「お前は柔道を通じ、レジストロの幼少年を育成してくれ」という言葉を念頭に置き、実践してきた。
 「わたしは高段者になりたくて柔道をやってきたのではありません。伯父の言葉に共鳴し、信じてやってきただけです。ここまでやってこれたのも、みなさまのご理解、ご支援のたまものと感謝しています」と淡々語った。八十三歳にもかかわらず、長年柔道で鍛えた堂々たる体躯、悟りを開いたような風格が滲み出ていた。