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薬草にも副作用=急がれる薬事法の整備

3月 4日(木)

  【エポカ誌】薬局の棚に純植物性薬品の自然製品が、所狭しと並んでいる。記憶活性化のジンコ・ビローバ(イチョウ)や精神安定剤のカバカバ、意欲増進剤のエルバ・デ・サンジョアンの三点は、ベスト・セラーの花形となっている。
 医師も効果があるので、自然製品を以前のように蔑視しなくなった。自然製品だからといって、全く副作用がないわけではない。
 自然製品の急激な需要増加で、大手製薬が大資本を投じ大量生産を始めた。これまで細々と同製品の製造を営んできた零細企業が、廃業に追い込まれるのではないかと驚いている。
 自然製品の年間売上高は、十億レアルに及ぶ。国立衛生局は三月、認可する自然製品一覧表を発表する。同製品に、二つの見解がある。一は米国同様に補足食品とし、衛生局の検閲を要しない。二は薬品と見なし臨床実験を行い、その効能と安全性を証明する。
 一の自然製品の原料として認可する植物は四十種類。それ以外の植物は、二の薬品と見なし厳しい検閲を要求する。市販に先立ち臨床実験の結果を報告する。国連保健機関(WHO)は、無秩序に販売される薬用植物の副作用を憂慮していた。中には毒性植物もある。
 薬草は地方によって呼び方が異なり相似した別物もあるので、薬草を取り扱う人は学名で呼ぶように進めている。本物と偽物の判別は専門家でも難しいので、検査器のない所で薬草素材の売買は、信用し難い。
 煎じ薬について衛生局が安心して飲用を認めているのは、カモミラやボルドーなど十三種類。それ以外の煎じ薬は、多少の副作用がある。煎じ薬を全て無害とするのは、迷信という。
 例えばジンコ・ビローバや朝鮮人参、ニンニク・エッキスは血液の凝結作用を止め、血液を薄めて血行を促す。これらの服用者が歯科医や病院で手術を受けると、出血が止まらないことがある。自然製品と薬剤の飲み合わせで、副作用を引き起こすこともある。
 米国では、自然製品の取り締まりは寛容だ。中国製のマ・フアンという痩せる自然製品で心臓病や神経のけいれん、脳溢血が続出した。ブラジルはマ・ファンの販売を禁じている。しかしインターネットで販売する舶来の自然製品は、販売する人も場所も不明だから注意すること。

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