3月 5日(金)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ市西部モルンビー区で三日午前九時、トラック通行禁止の道路を走行していた大型トラックから重量十六トンのパワーシャベルがタクシーの上に滑り落ち、車内にいた乗員四人が即死する事件が発生した。
事故現場はドウトール・フランシスコ・トマス・デ・カルヴァーリョ通り。ジオヴァンニ・グロンキ大通りとの交差点付近の上り坂で起きた。大型トラックが坂を上りだしたところ、車輪が空回りし始め、坂下へ滑りそうになった。その時、トラックの車軸が壊れてハンドルがきかなくなり、道路からそれ、塀にぶつかって大きく傾いた。ちょうどトラックの横を走行していたタクシー(ウノ車)の上に、積荷のパワーシャベルが滑り落ちた。
タクシー運転手のルイス・A・モラエスさん(六〇)と、乗客のセウマ・P・ピコンさん(六八、年金生活者)と娘のパトリシア・さん(三二、教師)、エゼネッテ・O・シウヴァさん(五六、看護婦)の四人が、救助隊が来る前に死亡した。
DRフランシスコ・T・カルヴァーリョ通りは二十三度の傾斜があるので、重量車両の通行は禁じられていた。ジオヴァンニ・グロンキ大通りからこの通りに入ると下り坂になるが、同大通りには重量車両通行禁止の標識が複数立てられている。
問題は、DRフランシスコ・T・カルヴァーリョ通りを上る時。傾斜のある上り坂だと知らせる標識は、事故現場から一キロも離れたモルンビー大通り(ピニェイロス川沿岸道路方面)に一カ所あるだけ。しかも事故を起した大型トラックは、標識が一つもない同大通りの反対車線から来たため、DRフランシスコ・T・カルヴァーリョ通りが重量車両通行禁止だと気が付かなかったらしい。
大型トラックのクラウドミーロ・S・ヴァルガス運転手(三二)は、トラックが傾斜で止まった原因を「車両が重すぎたから」と市警に報告した。トラックは長さ十二メートル、総重量三十一トンで、信号で停車してからタイヤがスリップしたと説明している。同運転手は、ジオヴァンニ・グロンキ大通り付近のヴィラ・サンタ・カタリーナ区の工事現場へパワーシャベルを運んでいた。
一方、事故の目撃者は、ヴァルガス運転手がトラックから降りて、タイヤを支えるために木片をタイヤの後ろに置き、二つある燃料タンクからディーゼルを移していたとし、「燃料問題でトラックが進まなくなった」と証言している。