役に立つ物品があれば、中古でも寄贈を受けます。受け取りに伺います―福祉施設がこう広報していたので、電話で申し入れたが、なかなか来てくれない、困った。やはり中古なのがいけないのだろうか―こんな話を最近聞いた▼大量生産技術が向上、近年特に衣料品はブラジルでも相当に値下がりし、品質にさえこだわらなければ、低所得層でも、いつも新品を身にまとえる、つまり、何も中古品でなくとも、という状況はある▼最近、東洋街で援協も存在を知らなかったペンソンが〃発見〃された。そこに入居していた独居老人のはいていたズボンがつぎはぎだらけだった、と取材記者が言っていた。老人の所得は、安い新品の購入ができないほど少なかったのだ▼福祉施設が、中古衣類でもいいから一般から寄贈を受けて、こうした老人に届けてあげられる態勢ができていればいいのに、と思う。だが、実際はむずかしいようだ▼通常、施設が、例えば衣類の寄贈を受けた際、それをバザーなどに出し、換金する方法をとる。お金のほうが広くいろいろの用途に使えるのだから、これはよくわかる▼サイズ(大きさ)が合う、合わない、ズボンは要るがシャツは要らない、などの問題もある。したがって、中古衣料品の寄贈を受けて、困窮していて必要な人に配る、といった直接的な活動は、困窮者の実状が見えにくいことからも困難であろう。東洋街のペンソンの独居老人のようなケースに援助できるいい方法はないものか。(神)
04/03/05