3月 6日(土)
【時事・フォーリャ・デ・サンパウロ紙四日】ブラジル政府は四日、アリスティド政権が崩壊したハイチでの治安維持に協力するため、ブラジルが千百人規模の軍部隊を派遣することを明らかにした。ハイチに展開中の米軍などの任務を引継ぎ、三カ月以内に派遣される国連の平和維持活動に加わる。
ブラジルのシンジェール大統領報道官によれば、ルーラ大統領がこの日、フランスのシラク大統領との電話協議で部隊派遣を要請された。フランスはハイチに約六百人の部隊を派遣しており、シラク大統領は電話で、国連のアナン事務総長もブラジルの部隊派遣を期待していると伝えたという。
国連はアリスティド大統領が辞任した二月二十九日の緊急会合で、ハイチへの平和維持部隊派遣を決議。部隊には、既に国軍を展開させている米国、フランス、カナダなどのほか、アルゼンチンやカリブ海諸国の参加が見込まれている。
平和維持部隊の指揮を国連はブラジル軍に望んでいるという。ブラジル国防省は国連の派遣要請内容と今後数週間以内に決定される部隊の展開作戦をさらに詳しく確認したい考えだ。パトロール、治安の維持、その他特殊任務遂行のための訓練を受けた特殊部隊の派遣が必要ともされている。派遣費用は現段階では未定。
ブラジル軍の派遣が実現すれば、国連安全保障理事会の常任理事国入りに向けてブラジルは具体的一歩を踏み出すことになる。