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するどい視点で世相に切り込む=海外講演〝5大陸制覇〟=永六輔さんあす文協講演=テーマは「ブラジル……漫談」=会場で「上を向いて歩こう」合唱

3月 6日(土)

  作詞、ラジオ番組の構成など八面六臂な活躍で知られる作家の永六輔さんが七日午前十時から、サンパウロ市のブラジル日本文化協会で講演する。「テーマはブラジルでありこれからの日本、世界……でも自分は人が笑ってないとだめ。漫談になりますね」。一年の三分の二以上は〃旅暮らし〃という永さん。鋭い視点で世相に切り込みながらもウイットにあふれた語り口が聞けそうだ。
 
 五日、文協で記者会見した永さんは「ブラジルはこれで五度目の訪問となる」と明かした。作曲家の中村八大さんとリオの世界音楽祭に二年連続で参加したのが一九六五、六六年―。
 のち再びリオへ。写真家の大石芳野さんに同行しファベーラに通い詰めた。
 「かつてパンナム航空の企画で世界一周早周り大会というのがあって、乗り換えの都合上、(リオに)一泊した思い出もあるなぁ」
 三十五年ほど前から、中村八大さん、作家の有吉佐和子さんと一緒に海外各地の日本人学校を講演して歩き始めるようになった。
 「八大さんがチンタオ、有吉さんがバタビア、うちの女房が北京の日本人学校で学んだこともあって」
 いまやその中村さんも有吉さんも鬼籍に入り昌子夫人も二年前に亡くなった。
 「一人残ったが意思を受け継いでやっている。ブラジルは八大さんが大好きな国。わたしは今回で海外講演五大陸制覇となります」
 誰しも知っている「上を向いて歩こう」「こんにちは赤ちゃん」の作詞家だ(作曲は中村八大さん)。文協講演ではこの二曲が合唱される予定もある。
 サンパウロ日本人学校では八日に「学校ごっこ」と銘打って講演。六日はイビウナ文協で午後二時から。
 講演内容については「行って、あった、そこに吹いている風を大事にしたい」。
 主催は日本航空。入場無料。整理券なしでも入場できる。