3月 9日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙八日】全国の病院と保健プラン企業が組織する全国保健連盟は七日、大統領府が公務員の補足年金基金と健康保険を民間機関のGEAP(社会保険基金)に一括委任したことを、最高裁へ一両日中に提訴すると決定した。GEAPは現在、公務員七十四万人の年金掛け金を年間十億レアル受領する。大統領府の措置は、公務員の年金業務の独占化を容認する委任内容となっている。
ジルセウ官房長官が起草した文書(大統領令四九七八号)によれば、各省庁と公社、政府関係団体に勤務する連邦と州公務員が全員、GEAPに年金を掛けることを余儀なくされる。すでに、年金業務を行っている他の公務員年金基金は無効とされる。
GEAPのカルバーリョ代表は、元PT党員であった。先のサンパウロ州議選に立候補し落選した同代表を、官房長官が起用し同職務に推薦した。連邦会計検査院(TCU)は七年前から、GEAPに対する業務契約が入札抜きで行われたと、契約を規定違反として異議申し立てた。
TCUはPTが政権に就任する前から、GEAPを不正手続きの〃伏魔殿〃と指摘していた。新政権で何らかの改革をGEAPに対し期待したが、反対に政治的しがらみを強めた。
GEAPを舞台とする違法行為は、ジニス元国会対策副委員長の不祥事以上の事件として野党は注目する。大統領府はGEAPのために好都合なシナリオを書き、演出を命じた。官房長官とGEAPの癒着だと、野党はみている。賭博業者の代りに、GEAPを入れ替えただけだと訴える。
野党議員の供述によれば大統領府は三月一日、公的資金の支払いでGEAPの場合、大統領令により公的機関の認証を要しないと、会計検査院の長官に通告したとされる。
文書の語句「自動移管」によれば、すでに一部省庁と年金業務を行っているゴールデン・クロスやスール・アメリカ、ウニメジ、ハップヴィーダなどの企業は、同業務から追放されることになる。
GEAPのカルバーリョ代表は、これまで不明瞭であった協定と契約の解釈で法整備を行っただけで、独占化を促したものではないと報道を否定した。