3月 9日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】自動車セキュリティーシステムが、盗難や誘拐事件が深刻さを増すブラジルで急速に広がりつつある。約二十五万台の自動車が軍の技術を元に開発され、人工衛星やラジオ電波を活用した同システムを装備してすでに市中を走り回っている。
この分野で急成長を続ける業界各社は、市場が二倍に拡大するとの見通しの下、主にサンパウロ市とリオ市で十二月までに約五十万台を監視できると見積もっている。
また、保険会社も盗難や強盗のリスクが高い高級車やピックアップ車には同システムを装備するよう勧めており、装備した車には保険料を三〇%も割引くところもある。
自動車セキュリティーシステムにはエンジン停止、位置確認、追跡の三種がある。購入費はエンジン停止が四百レアルから千レアル、位置確認が七百レアルから千五百レアル、追跡は千七百レアルから三千レアルで、ほかに維持費が月三十五レアルから百レアルかかる。
最も優れた追跡システムは誘拐といった緊急事態の際に救出チームがヘリコプターや飛行機で出動する。盗難などの場合、自動車を取り戻す時間は平均三十分で、成功率は九三%から九七%だという。
ただ、セキュリティー会社は追跡まではできるが、強盗と戦ったりはできない。誘拐の場合は最終的に警察の機動力いかんに事件の解決はかかっている。