3月 9日(火)
【アゴーラ紙】パウリスタ大通りに大邸宅が立ち並び、舗装も全く行われていない時代―。「若い頃はパウリスタ大通りでカルナヴァルのパレードを楽しんだねえ。大通りは紙吹雪包まれていたっけ」と語る主婦のナイール・アウブケルケさんは百三歳だ。
ブラジル地理統計院(IBGE)の二〇〇〇年国勢調査によると、百歳を超える高齢者はサンパウロ市に約千二百人(全市民の〇・〇一%)、サンパウロ州に約四千五百人、全国に約二万四千五百人いるという。
一九〇〇年にブラガンサ・パウリスタで生まれたナイールさんは幼少の頃、サンパウロ市に移り住んだ。五十八歳の時に夫を亡くした後、一人暮らしを続けていたが、八年前に転んで足を骨折してからは息子と同居している。「看護婦が一人いるけど、母は手を煩わさない。気丈でとてもいきいきとしている」と息子のリカルドさん(六九)は話す。
ナイールさんはおしゃれ好きで、週に一度美容師の訪問を受け、しわ除けクリームをつける。彼女の若さの秘密は食事にある。「油っこい食べ物やお酒は一切口にしない。長年にわたって毎日二時間以上、散歩してきた。でも本当に大切だと思うのは人の温かさだね。息子たちや二人の孫、五人のひ孫のそばにいるのが大好き」。
しかし、長寿を決定づける要因は何なのかという質問に答えるのは医者ですら容易ではない。記憶の減退、視力の低下、肉体の衰えなど、老化現象を避けるのは難しい。長寿の研究者たちは長生きの人が多い家系があることから、遺伝子が要因の一つとみて研究に取り組んでいる。