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100年祭、パラナの事業案=日本人村の造成=温泉保養センター建設=日本の民間からも資金導入=課題、祭典委との〝調整〟

3月10日(水)

  パラナの日本移民百年祭記念行事の大枠が決まった。まだ案だとしているが、「日本人村の造成」「日本温泉保養センター建設」がある。事業を推進するのは、パラナ日本移民百周年祭委員会。パラナ日伯文化連合会(上口誠一会長)とパラナ文化運動連盟(西森ルイス理事長)が統合されてできる新団体と、パラナ日伯商工会議所(上野アントニオ会頭)で組織される(〇五年一月の予定)。事業資金は、日本を含む民間企業の出資、委員会醵金としているが、建設後の運営・経営をどう展開するのか、をはじめこれから調整しなければならない課題は多い。
 
 祭典委員会が、去る一日発表したところによれば、パラナの百年祭典は、基本的にはほかの州と協力し合うが、「独自の事業を行う」をはっきり打ち出している。
 式典の開催場所は、移民センターがある北パラナのローランジア。五万人の参加を見込んでいる。「日本人村」「保養センター」の造成、建設もローランジアで展開される。
 パラナ日系コロニアの実態調査のほか、記念行事は環境、技術など多岐にわたるシンポジウム、スポーツ大会、芸能大会の開催が予定されている。
 「日本人村」は、日本で定年退職した人たち(夫婦、家族)百家族の町だ。以前、日本の通産省が企画したプラン(シルバー移住)の実現をめざす。敷地三万平方メートル。共用施設は駐車場、有機農業の野菜畑、多目的ホール、アトリエ、木工場、憩の森など。
 月額二千ドル以上の年金受給者を対象に日本で〃移住希望者〃を募りたい、としている。
 「保養センター」のほうは、ボーリングして熱水を掘り出し、建造物四ブロック、合計百六十室の温泉ホテルを建設する。ほかの設備は、林、散歩道、屋外プール、人造湖、スポーツ場など。これらを既存の移民史料館、神社、開拓記念碑などと融合させたいという。
 上口連合会会長、嶋田巧前会長ら文化連合会の役員は、百年祭典でこれらの事業・行事を実施し、将来につなげたい、と考えている。つまり、ローランジアでの事業で実現した施設、設備を、将来パラナ日系人の〃求心力〃にしたい考えだ。気持ちの上でも、行動の面でも、離散の状態に、百年祭典でつくった施設を最大限生かし、歯止めをかけようというのだ。
 二人は、今年〇四年度から、百年祭典に関して、基礎から啓蒙運動を行いたい、特に若い三世、四世を事業推進に動員する構えだ。
 一方で、日本をふくめた民間とパラナ日系コロニアという〃公〃が、どう連携して百年祭事業をやっていけるのか、注目される。