エコノミーア

3月11日(木)


 就職難と購買力低下で苦しい台所を賄う家族の頼りとなっているのが、高齢者年金。大サンパウロ市圏で高齢者の年金が溺れる者のわらとなって孫や甥の子を養っている家庭が、全世帯の六一・四%で九十六万世帯という。高齢者は一人で賄うより多勢のほうが割安になるとはいえ、居心地の良さと怠慢癖から孫らの巣立ちが遅れる傾向も。

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 政府は建築業界のてこ入れで経済活性化を図ろうと、二〇〇五年から住宅ローンの利子を現行の年利八%から限りなくゼロに近い利子に下げるよう銀行へ通達した。しかし、建築業界は基本金利の引き下げと同時に景気回復がないなら、政府が笛吹けど踊らず経済活性化につながらないとみている。融資額を引き上げるらしいが、月間所得も
要求額が上がるようだ。

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 ポン・デ・アスカルによるリオデジャネイロのスーパー・センダ買収は、条件付きで認可された。これでポン・デ・アスカルの四百九十六支店にセンダの六十八支店が加わる。条件はセンダの看板を降ろしてはならない。センダの支店閉鎖を禁止。センダの従業員整理は、売上に対する人員過剰の場合のみ許可。

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 ブラジルの二〇〇三年度経済成長率がマイナス〇・二%と発表されたが、中国は九・一%。亜国が八・四%、ロシアが七・三%、米国は三・一%。ブラジルは低率成長率を憂慮するよりも、一九九五年から国民の士気が停滞し〃やる気〃がないのが心配だという。どこでも落ち込んだ後に反動で盛り返すが、ブラジルには電力危機による落ち込みの後に反動がない