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伯テニス界が危機=連盟会長に抗議集中=独断人選、犯罪組織と関係も?

3月12日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十日、十一日】ブラジルのテニス界が危機状態にある。ブラジル・テニス連盟(CBT)のネウソン・ナスタス会長の横暴な運営に対する抗議として、グスターヴォ・キュルテン(通称、グーガ)などのブラジルの主要テニス選手らが『デビスカップ』のボイコットを発表。キャプテンも離任する事態にまで進展している。四月九日~十一日の対パラグアイ戦を控えているブラジル。代表選手や新しいキャプテンも見つけられないまま、CBTはどう対処するのか。
 伯テニス界の危機が始まったのは二〇〇三年から。ナスタス会長を辞任させようと、九つの州連盟が集まってブラジル・テニス運動(MTB)を結成した。
 そして今年二月二十一日、グーガが再び勝者として輝いたバイア州コスタ・ド・サウイッペのブラジルオープンが始まる前に、CBTはデビスカップのブラジル代表(セレソン)のキャプテンを、これまでのリカルド・アシオリーからジャイメ・オンシンスに、代表選手らに無断で代えた。さらに、パラグアイ戦でのトレーニング本部も独断的に決定した。
 グーガは、同じくカップの代表選手であるフラーヴィオ・サレッタからキャプテン交代の知らせを聞いた。「CBTは代表選手たちをないがしろにしている」と感じたグーガは九日、デビスカップの対パラグアイ戦をボイコットすると発表した。
 発表の際、グーガは「抗議の対象はCBTであり、新キャプテンに選ばれたジャイメのせいではない。ボイコットを発表するに当たって、最初に相談したのはジャイメ自身だった」と、私的な問題でボイコットしたのではないことを強調した。
 グーガに続いて、アンドレー・サー、サレッタなどの選手もボイコットを決断した。そして新キャプテンのジャイメも十日、離任を決意した。「キャプテン交代でブラジルのテニス界が危機に陥ったのではない。CBTの運営の悪さが原因である。選手たちはCBTのやり方に不満だということはよく分かっている。自分も選手たちと同じ気持ちだ」と、ジャイメは記者会見で声明した。気落ちしているのは明白だった。
 それだけではない。同日、第二十七警察署の警官らが、サンパウロ市パウリスタ大通りにあるCBT本部に立ち入り、パソコンの情報や会計書類などを押収したのだ。MTBの主要人物であり、サンタ・カタリーナ州テニス連盟会長のジョルジェ・L・ローザ氏が、CBTが犯罪組織形成や詐欺、偽造書類などに関与していると警察に告発したからである。
 〇三年から改善されなかったテニス界の危機状態は、こうして最大限のレベルに達した。新しいキャプテンにカルロス・A・キルマイルが選ばれる可能性が高いが、多くの選手がグーガのようにボイコットの意思を表明しているため、今から代表選手を集めるのは非常に困難だという。