3月13日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】人口五万人以上の市の市営市民警備員(GCM)に対して銃の所持を認める時限立法(暫定令)一五七条が十一日、下院で可決された。二〇〇三年十二月二十二日に銃規制法が有効となったが、その翌二十三日に銃規制法の改正案である同暫定令が有効となった。暫定令が法律として正式に認められるには、下院と上院で可決されなければならず、近日中に今度は上院で表決されることになる。だが、上院議員の間には、同暫定令を否決しようとする動きが見られる。
銃規制法を起草したセーザル・ボルジェス上院議員(自由戦線党=PFL)は、最低人口を五万人ではなく、二十五万人にすべきだと主張している。銃の使用を二十四時間態勢で認めるのなら、人口五十万以上の都市のみに限定すべきだと指摘している。「この暫定令を今の状態で可決すれば、銃器販売者を喜ばせる結果となる」。
下院での表決が終了した後、複数の政党の下院議員たちが、上院での可決を阻止しようと動き始めた。シッコ・アレンカール下院議員(PT=労働者党)は、「(GCMに銃所持を認めることは)危険すぎる。とんでもないことだ。上院で覆してみせる」と断言している。
アロイージオ・N・フェレイラ下議(PSDB=ブラジル社会民主党)も、「国の治安状態の悪さからみても今、GCMに銃所持を認めるのは危険だ。しかも同暫定令は違憲である。軍事力を拡大させているようなもの」と批判している。
アントニオ・C・ビスカイア下議(PT)は、「これでは銃規制法ではなく、銃所持奨励法ではないか」と抗議した。「GCMは警察と同等の権限を持つことになる。そんなことは憲法では認めていない」。
一方、ルイス・A・フレウリー・F下議(PTB=ブラジル労働党)は、人口制限なしに、すべてのGCMに銃を所持させるべきだと反論。「人口五万人以上の市に住む人々は守られるのに、それ未満の市の住民たちは守られる権利がないのか?」。
フレウリー下議は、暫定令の表決中、厳重な治安管理が行われているサンパウロ市から、管理がそれほど厳しくない小さな市へ犯罪者が流出している問題を指摘。「市民警備員に銃を与えなければ、犯罪の増加を見過ごすことになる。犯罪を撲滅するための重要な手段が銃所持である」と訴えた。