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活躍する地域ボランティア=強まる組織の力=行政当局と協力関係構築

3月16日(火)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙】貧困地区で地域社会リーダーたちが活躍している。彼らは地域住民の窓口となり、不満を聞き、問題解決のために奔走する。飾り気のない人たちだが、強い意志、積極性、組織を引っ張っていく力に満ちあふれている。必要とあらばデモ行進まで組織し、政治家の前で意思表示をする。政治家たちの公約を実行するのは彼らなのだ。

 マリア・ルーシア・シリーロさんの人望を知るには数分とかからない。ある人は自分の庭のように同地区を知っているマリアさんに道を尋ねるが、多くの人は普通、水道設備の不備、二十五キロ離れたところにしかない診療所、保育所の定員不足といった問題を訴えにやって来る。電話はひっきりなしにかかって来る。「寄付が届いたかどうか確かめるためにかけて来るのよ」。
 マリアさんはサンパウロ市でもっとも貧しい地区の一つ、エンジェネイロ・マルシラックの地域社会リーダーで、NGO団体が送って来る食料品や衣料品、靴、おもちゃなどを約八千人の住人に配布している。同地区の住居の多くは住所すらなく、病院も衛生設備もない。二十年前にマリアさんが同地区に着いた時にはもっとひどく、学校もなく、バスも通らず、郵便が届かなかったという。
 今は学校が三校、通学バス、地域郵便局がある。「私がその問題に取り組み始めた時、誰に解決を求めたらいいかわからなかった。でも今はわかる。あらゆる人に書簡を送って問題を訴えること。いつか誰かが解決するから」。リーダーとして活躍し始めたのは、近所の娘が誘拐され、情報と事件の解決を求めて動いた時だった。警察に訴えても解決しなかったため、マスコミと法務省に駆け込んだ。事件は世間に知れ渡り、子どもは無事戻った。マリアさんは学んだ。「行政当局は圧力をかけなければ動かない」と。
 地域リーダーたちは地域団体の連合会を結成し、これまでの地域活動を取り込みつつある。「周辺貧困地域はますます組織化され、その力は強まってきた」と政治アナリストのトルカット氏は話す。「地域社会リーダーの役目は前線部隊のそれだ。地域社会の圧力にさらされながら、政治的問題の解決に取り組むのが彼らなのだ」。
 サンパウロ市北部ヴィラ・プルデンシア地区で三十年以上にわたってリーダーを務めてきたマリア・ローデス・S・シウヴァさんは、協力関係の構築を学んできたという。自宅で一年間運営してきた保育所の運営維持への協力を市役所から取りつけることができた。その後保育所は五カ所に増え、三百八十人の子どもを預かるようになった。州政府からはパン屋を勝ち取った。「政府はそのままじゃ何もしないから、政府を支持するの。今、もし投票を求められたらすぐにでもするわ。民主主義の社会で生きているから、みんなの協力が必要でしょ」。
 トルカット氏によれば、地域社会リーダーが政治に関わるのは合法だという。ただし、直接取込まれてしまって選挙の広告塔になり、信頼を失わないようにする必要があると付け加えた。

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