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コラム 樹海

 韓国の盧武鉉大統領の弾劾案が可決されて首都ソウルの政局は混迷を続けている。韓国の大統領権限は強く大きい。盧大統領は国会で弾劾されたので軍隊の統帥や国家元首としての地位も閣議招集権も停止されてしまった。が、大統領としての身分は維持されているので青瓦台(大統領府)の公邸で「蟄居」している状況らしい。事の始まりは大統領選挙資金を巡る「カネ」である▼盧大統領は苦学力行の人であり弁護士として活躍した履歴を誇る政治家として知られる。艱難辛苦を嫌になるほどに体験しているはずなので「カネ」の苦労も知っているはずなのに選挙は魔物。野党のハンナラ党らが弾劾案を提出して国会が混乱しているときに盧大統領に不正献金した大宇建設の南相国社長がソウルを流れる漢江に飛び込み自殺してもいる▼大統領自身も、選挙に関する不正資金に側近や親族が関与している事実を認め謝罪してはいるけれども、果たして「お詫び」だけで済むとは思われない。最後は憲法裁判所の判決待ちながら一大政治事件に発展する公算の方が強い。それにしても、韓国の政界は意外に「金銭問題」が多いし李承晩を始め歴代の大統領も不幸な歩みをした人々が一杯いる▼日本の陸士を卒業した朴正煕大統領は暗殺され陸英修夫人は在日の文世光に銃撃され死亡している。全斗煥氏と盧泰愚氏も面白くない幕引きとなっているのは周知の通り。先の金大中大統領もノーベル平和賞はご立派ながら北朝鮮へ金銭授与の疑惑もあるし、どうも賢人政治とは申し難い。 (遯)

04/03/16