3月17日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】連立党PL党首のヴァウデマール・コスタ・ネット下議は十五日、パロッシ財務相とメイレーレス中央銀行総裁の退任を要求した。プラナウト宮で行われたアウフレッド・ナッシメント新運輸相の就任式に出席したおり、同党首が二人は政府の要職に止まる資格がないと声明を発表した。政府首脳部と各党の経済政策に対する確執が、溝を深めているといえそうだ。
経済政策でパロッシ路線を支援するルーラ大統領を敵に回し、共同戦線を張るPT党とPMDB、PCdoBにPLも合流した。さらに背後には、同じ連立党のPSB、PPS、PTB、PPなども控えている。共同戦線が憂慮するのは、マイナス経済成長率と失業率で、現状では地方選に向けて不利だとしている。
PL所属のアレンカール副大統領の高金利批判は、いつも繰り言のように扱われてきた。副大統領はいま、議会調査委員会(CPI)の設置支持派へ回った。ジニス氏の不祥事では、倫理観を重んじたPT伝統の看板も汚れた。堅実路線を継続し抜本策を打ち出さず、景気低迷が定着するなら経済回復は至難の業になると、PLは警鐘を鳴らした。
副大統領とPL党首は就任式の後、記者会見に応じ政府に対する不満を明らかにした。経済政策は財務相の独断専行と、PTも連立党も眼中にない中銀総裁の二人三脚で行われているという。金属工は、金属工のえこひいきをする。中銀総裁のような銀行家は、銀行の太鼓持ちしかしない。
経済政策の中で生まれ育ったのは、副大統領だとした。パロッシ財務相はリベイロン・プレット市長としては適任だが、一国の財務相には無理だという。PL党首は、メルカダンテ上議の経済政策への積極的な関与を求めた。同上議は経済の専門家だが、PT党内の支持率が低く経済閣僚就任の可能性も、ほとんどないと本人も自認している。
ジルセウ官房長官は、記者団から意見を求められた。財務相の辞任を要求した連立党の党首に対し、いかなる処分を行うかの質問に「私は処分する方ではなく、処分される方だ」と答えた。「誰が官房長官を処分するか」の質問に「マスコミ」だと応じ、往時の陰も薄さを感じさせた。