3月18日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】ルーラ大統領は十六日、リオ訪問中のキルチネル亜国大統領と国際通貨基金(IMF)の会計処理法見直し交渉へ向けて共同歩調をとることで合意した。合意文書は二通作成され、コパカバーナ宣言とIMF規定が両国の産業投資と経済成長を妨げないことを条件とする協定へ変更要求するものからなる。合意内容はインフラ整備への投資を経費と見なさないとしたが、両国が交渉に向けて共同行動するとは記されていない。
IMFや国際金融の国際復興開発銀行(BIRD)、米州開発銀行(BID)に対する伯亜両国の要求事項は、基礎収支の財政黒字を計上するためインフラ整備への投下資金を経費と見なさないとする会計処理を容認してもらうこと。
国際金融については、両国は国内事情が異なる。ブラジルは経済低迷とはいえ、財政は均衡している。隣国は倒産前夜だ。アルゼンチンは九日、IMF債務の一部三十一億ドルを苦汁の思いで決済した。十六日からは民間債務八百八十億ドルの七五%を、分割でなし崩さなければならない。
アモリン外相は伯亜両国が、EUの要である仏独両国の役目を南米で担っていることを強調した。両国の経済危機や政治危機を避けるため妥当なメカニズムを備えた国際金融システムを構築すべきだと提案した。IMFの要求条件を満たすため、両国の経済基盤が脆弱となったことを間接的に批判した。
アルゼンチン訪問中のIMF専務理事クリューガー女史は十六日、伯亜両国が対IMF共同戦線を張ったことで、あまり波風を立てないように警告した。亜国大統領が国民に迎合し先鋭的態度に出るのは、IMFを刺激するとけん制した。隣国は国内総生産(GDP)に対する三%の財政黒字計上で、IMFとの交渉が難航したようだ。
プラナウト宮は伯亜大統領の会談後、両国は共同歩調を取るが、IMFや国際金融に対し圧力を掛けるために団結することではないと念を押した。大統領は八日、先進七カ国代表と基礎収支の算出法で電話会談をした。そのとき会計処理の柔軟性を質し、伯亜共同歩調は全く考えてなかった。