3月18日(木)
【既報関連】ブラジル日本都道府県人会連合会が設置した選挙管理委員会(羽田宗義委員長)は十七日午後、リベルダーデ区の県連事務所内で記者会見し、前日に受理した中沢会長のシャッパについて、二十六日の定期総会に出席した会長らの信任投票にかけることを明らかにした。シャッパは出席者の過半数で信任されるが、否決された場合は同日に記名式による役員選挙を実施する。(リード)
再選を目指す中沢会長に対し、同会長との確執が続いていた吉加江ネルソン副会長を推す二世らがシャッパ作りを進め、初の複数シャッパ選挙が予想された今回の役員選挙。結局、十六日の締め切りには、会長以下十四人の候補をまとめた中沢会長のシャッパが出されたが、同日夜行われた選挙管理委員会の会合では「一世だけに偏りすぎ」「県連を一本化するにはどうするべきか」などの意見が出されたという。
記者会見の冒頭、羽田委員長は「あくまでも定款に基づき公正に決めていただきたい」と強調。二十六日の定期総会で各県人会長の直接投票で決めるべき、との結論付けた。同委員会は羽田委員長以下、網野弥太郎元会長、西谷博元会長に加え、小森広相談役、菊池義治相談役の五人で構成され、中沢会長が任命。一月の代表者会議で承認されていた。
中沢会長のシャッパは総会の出席者の半数プラス一票を得ると、信任され再選が決まる。羽田委員長によると、現在県連に参加する四十四都道府県の会長に加え、五人の顧問の計四十九人に投票権がある。このため、当日欠席者がなかった場合、中沢会長はシャッパに連なる十四人に加え、十一人から信任を得る必要があることになる。
ただ、不承認の場合は即時に四十四都道府県の会長名簿が配布され、そこから各会長らが十人を記名。投票が多かった順から会長一人、副会長七人、会計三人、書記三人を決定する。
事実上の選挙戦にも近い信任投票を選挙管理委員会が決めたことに中沢会長は、驚きと不快感を隠せなかった。「現実的ではない。いきなり役員に指名されても固持する人が出る」などと反論したが、網野元会長は「民主的にするにはこれしかない」といなした。
会見には中沢会長に加え、吉加江副会長も同席。選挙管理委員会も懸念したシャッパ十四人中、二世はわずか一人の選出に留まったことに中沢会長は「賛同してくれる人を選んだだけ。問題はない」と説明した。
また、人数不足でシャッパを出せなかった吉加江副会長は「残念ながらまとめることが出来なかった。会長が替わった県人会が多かったり、残る任期が少ないため固持する人が多かった」などと弁解した。
仮に中沢会長が再選を果たしても、反対派を除外した執行部運営に対し、異論が出続けるのは間違いない情勢。いずれにしても中沢会長と吉加江副会長の歩み寄りが不可欠だが、この日の会見では元会長ら重鎮を前にしながら、歩み寄りの姿勢を見せなかった。
西谷前会長は「一世だけでなく、二、三世の皆で連帯してきたから今の社会がある」という言葉を中沢会長と吉加江副会長は受け止めたのだろうか。
雨降って地固まる――選挙管理委員会の望みを両者が受けとめる必要がある。
二十六日に信任投票されるシャッパは次の通り。
会長・中沢宏一▽副会長・高橋一水、田端稔、竹下康義、有北和田之示、南雲良治、千田・暁、尾西貞夫▽会計・山下治、根本信元、小島友四郎▽書記・丹生登、永松通一、高世整一