3月18日(木)
日本の文部科学省留学制度で訪日することが決まっているブラジル人学部留学生二人および研究留学生十四人が十二日、サンパウロ総領事館に石田仁宏総領事を表敬訪問した。
総領事館が昨年、館内で募集した学部留学生枠には二百三十二人、研究留学枠には百十人が応募。十六人は選抜試験の狭き門を突破した。近年は応募者が急増しているのが特徴で一昨年はそれぞれ百九十二人、九十人だった。
総領事室で出迎えた石田総領事は「日本にはブラジル人の方も二十七、八万人いる。日本が、そして彼らがどんな状況にあるのかをよく見てきて欲しい」。
続いて学部留学は五年、研究留学は二年と滞在が長期にわたることに触れ、「みなさん、ホームシックにかからないようがんばって」とエールを贈った。
十六人はこの日午後から二時間みっちり総領事館関係者から留学心得などについて説明を受けたほか、留学生OBらと懇談。四月五日の出発を直前に控え気持ちを新たにしていた。
学部留学生は日本の国立系外国語大学で一年間、日本語を履修後、入学先が決まる。研究留学生はすでに各自が希望する日本の大学学部とコンタクトを取っており訪日次第、専門分野の研究に励む。十六人のうち女性は六人で非日系も六人が含まれた。
日系以外のブラジル人学生が日本の文部科学省留学制度に注目し始めていることに対し、総領事館の渡辺博領事は「広報活動の成果」を強調。一方で「日系の学生は県費留学生制度が先細りになっている現状からこちらに流れているのでは」と話していた。
サンパウロ総領事館では館内のブラジル人学生を対象に日本への学部留学生を一九五七年から、研究留学生を一九七三年から募集している。