3月20日(土)
【エポカ誌15日、エスタード・デ・サンパウロ紙17日】高い難度のアクロバット技術を持つブラジル人女子体操選手ダイアーネ・ドス・サントス(21)が、各伯字紙で「体操界の新たな星」と報道されている。2003年半ばから注目されているダイアーネは、ライバル選手たちに「五輪の金メダル有力候補だ」と恐れられるほど。ルーマニアの体操監督オクタヴィアン・ベル氏は、「ドス・サントスは現在、体操のマイケル・ジョーダンである。宙で止まるがごとくのジャンプ力とバランス能力を備えている」と驚いている。
03年8月16~24日の第37回世界体操競技選手権大会(アメリカ・アナハイムで開催)と同11月28~30日のDTBポカール(ドイツ・シュツットゥガルト)、04年3月5~7日のコトブス国際(ドイツ・コトブス)の3大会で、ダイアーネは金メダルを受賞。同13日~14日のフランス国際(フランス・リヨン)では、床運動で金、跳馬で銀メダルを獲得しており、その活躍ぶりにブラジル代表は体操史上初めて、同3月18~19日に開催のアテネ五輪テスト大会に招待された。
ガウッシャ(リオ・グランデ・ド・スル州出身の女性)のダイアーネは、謙虚であると同時に勇敢だ。彼女はアナハイム世界選手権大会の女子床運動で、最大2メートルの高さまで宙を舞うジャンプ(後ろとび2回ひねり前方かかえ込み2回宙返り)を初披露。国際体操連盟(FIG)が彼女の苗字をとって「ドス・サントス」ジャンプと命名したほどで、9.737の高得点を出して優勝した。同大会史上初の、南米人の金メダルとなった。
ダイアーネの最高得点はコトブス国際での9.762である。フランス国際後、4大会で連続優勝したダイアーネは現在、FIGの女子床運動ランキングのトップ(265.5ポイント)を飾っている。
豪快な技を決めるダイアーネは、毎日約7時間の厳しいトレーニングで、五輪に備えている。「みんながオリンピックでの優勝を目指している。わたしもがんばっているけど、勝てないかもしれないわ。今はただ精一杯、自分のできる限りのことをやっているの」と話す。
ダイアーネが体操を始めたのは11歳の時。リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ市の広場で遊んでいたところをスカウトされた。パンアメリカン大会が始まる前にひざを手術したダイアーネは、「怪我をする前にリハビリをやらないと」と、自分の体調にも気をつかっている。
アテネでは、新しい振り付け「ブラジレイリーニョ」を紹介する予定。五輪開催までにほかの選手が彼女の技を真似する可能性もあるので、まったく別の新しい技を披露すると思われる。体重41キロの〃ブラジレイリーニャ〃ダイアーネ。ブラジル人の期待を一身に受け、金メダル獲得を夢見ている。