3月20日(土)
柔道の石井ヴァーニア選手が今年八月に開かれるアテネ五輪にブラジル代表として出場することが正式に決まった。石井さんは前回シドニー大会に続き二度目の五輪出場となる。十六日パウリスタ・スポーツ賞贈呈式で本人が明かした。
石井さんは「いまは勝てないと思う選手はいない。ベストを尽くせば結果が出るはず」。そう語りメダル獲得に自信をのぞかせた。
シドニー五輪は七位。だが昨年大阪で開かれた世界選手権で五位、今年二月のブルガリア国際では三位の好成績を残した。この四年間でメダルを十分狙える力を養ってきている。
父親でミュンヘン五輪の柔道銅メダリスト、千秋さんは「有象無象の世界選手権と違って五輪は選ばれた選手が出てくる。でも各クラスの参加人数二十二人と少ない。組み合わせ次第でチャンスは大きい」と、愛娘の飛躍に期待を寄せる。
十五歳から本格的に柔道の道に入った。世界選手権に五回出場の実績を持つ。パン・アメリカン大会では金・銀・銅すべてのメダルを手中に収めた。今年で三十歳を迎えたが、シドニー五輪など国際舞台での経験を生かしその強さはいまも発展途上にある。
「自分は三十歳で帰化したので世界選手権には二回しか出ていない。彼女は十五年も世界の一線で戦っている。完全に超えられたよ」と千秋さん。
出場する六十三キロ級はなかでも強豪が最もひしめくクラスのひとつだ。とくにイスラエル、キューバ両国の選手との熾烈なメダル争いが展開される、と石井さんはみている。「これが最後の五輪とは考えていない。ただ一戦一戦を大切にしていくだけ」。