コラム ALIGN=”MIDDLE” BORDER=”0″>
保城という柳号でリベルダーデ界隈の住民に親しまれた末藤弥寿太さんが先日、老衰のためサントス厚生ホームで亡くなった。享年九十一歳。九十二歳の誕生日が数日後に控えての訃報だった。
九十歳を越えてもなお向学心が旺盛の方で、居室で、よく読書している姿を見かけた。
「読みたいものがあったら、自由に持っていきなさい」と、オーリャ子もずいぶん世話になったものだ。「現場に出掛けていって、多くの移住者の声に耳を傾けてほしい」とも。
末藤さんがこよなく、愛したのはリベルダーデ街。「下町的な温かさが残っていたから」だそう。最期の最期まで「戻りたい」と、もらしていた。
日本人街から東洋街に。最近は再開発計画も進む。表情が変わっても、住民たちの思いは消したくない。 (古)
04/03/20