3月24日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】閣内確執に終止符を打つためルーラ大統領は二十二日、政府要人の政策批判や意見の相違を外部で公言することをけん制した。具志堅ルイス広報長官は与党党人や議員、政府高官に個人的意見としての発言を禁じ、政府の統一見解としての言動をわきまえるよう指示した。港湾ストにより農産物輸出が滞っていることで、農相が連邦職員の給与調整に戸惑っている企画相を「怠け者」呼ばりしたことに端を発した確執の収拾であった。
大豆の収穫が始まり、ブラジル経済の命綱ともいうべき農産物の積み出し真っ最中に、港湾の連邦職員がストに入った。農産物輸出の重責を双肩に負うロドリゲス農相は怒り心頭に発し、港湾職員のベア交渉を今日まで引き伸ばしたことでマンテガ企画相を非難し「怠け者」と呼んだ。
農相にすれば、企画相の怠慢による港湾ストだという。企画相は財務省の健全財政で昨年、農務省に対し六千五百万レアルの予算カットを行った。農務省は電話切断や職級昇進の中止などで経費削減に追い込まれ、ベア交渉は九十日間の長期に及んでいた。
具志堅長官は直ちに、両相の関係修復を図るため全閣僚へ同件に関し箝口令を敷いた。ひぼう発言は十七日、下院農業委員会で議員や農業団体代表、企業家の会合でされた。同長官はスト収拾の言質を取り付け、両相のよりを戻した。
ストを決行した農務省職員二千人は二十日、農相が進退伺いを提出したことで事態の重大さを考慮し十日間のスト中止を申し出た。農相はレキオン・パラナ州知事から、モンサント(遺伝子組み換え開発社)のお先棒と批判されるなど孤立無援の状態にあった。
農相は二十二日、サンパウロ市で開催された講演会に出席しフルラン産業開発相やアルキミンサンパウロ州知事、その他州知事多数の仲立ちで企画相と再会した。産業開発相は、問題の元凶を繁雑な手続きを要する官僚主義だと訴えた。大統領は敏速な対処を要求するが、政府機構がのろく必要に追いつかない。その上、予算不足とくる。関係者はイライラするばかりと、開発相は述べた。