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ブラジル民の60%は下水道なし=地域格差、鮮明に=IBGE 「国連水の日」に発表

3月24日(水)

  【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】三月二十二日の「国連水の日」にちなんでブラジル地理統計院(IBGE)が発表した「衛生設備マップ」によると、ブラジル国民一億六千九百八十万人の六〇%に相当する約一億二百万人が、下水道のない地域に在住している。また、上水道サービスを受けている国民は全体の七六・一%で、まだ一〇〇%に達していない。
 二〇〇〇年度の国勢調査と全国基本衛生設備調査のデータに基づいて作成されたこのマップを見ると、上水・下水の両サービスの普及率に地域的な差があることが分かる。IBGEのギード・ジェーリ地質科学部長は、「不平等な衛生設備の設置状態は、貧富の差に比例している」と言明している。
 ブラジル北部での下水道施設が最悪で、下水道がひかれていない地域の国民は全体の九七・二%に上る。一方、南東部で下水道サービスを受けていない人は、全体の三六・四%と最少である。
 州別に見ると、下水道施設が最も充実しているのは連邦直轄区で、都民の八七・七%に下水道サービスが行きわたっている。対して州民の九八・七%が下水道施設に縁のない州はトカンチンス州となっている。
 上水道でも似たような傾向が見られる。ブラジル南東部での上水道普及率は八四・六%なのに対し、北部では五一・九%に留まっている。
 IBGEの技術者イヴェッテ・O・ロドリゲスさんは、人口密度の北部では下水量も少ないので、河川が下水を吸収することができるので、それほど心配はないが、都市部では下水量も多いため、その分下水道施設の必要性が高い。
 興味深いことに、数多くの社会指数で高い数値を記録しているブラジル南部では、上水道は八〇・三%と普及率が高いが下水道は二六・一%とかなり低い。南部には小規模の地方都市が多く、下水道施設は都心部に集中しているためである。また、同地域では浄化槽が広く普及しているという理由もある。
 各州都で比較したところ、上水・下水道施設が最も充実しているのはサンパウロ市。上水道の普及率は九八・六%、下水道も八七・二%で、国際水準と比べても高いとIBGEは評価している。市内南部(ヴィラ・マリアーナ区など)や西部(アウト・デ・ピニェイロス区など)、中心部(セー区、リベルダーデ区など)では、普及率はほぼ一〇〇%に達している。