3月25日(木)
シャッパ巡って再びゴタゴタ――。二十六日のブラジル日本都道府県人会連合会の定期総会に提出されている中沢会長のシャッパに、第二書記として名を連ねていた永松通一大分県人会長の辞退届が二十四日、選挙管理委員会(羽田宗義委員長)に正式に受理された。補欠として名を連ねていた石井賢治長野県人会長が、繰り上がりを認めたためかろうじて、定款に定めるシャッパの定員十四人を満たしたが、一度提出されたシャッパに辞退届が出るのは極めて異例。選挙管理委員会は「このシャッパを総会で信任してもらう」との判断を示したが、総会を前に改めて中沢会長の求心力の低下を露呈した。コロニア御三家を自認するはずの県連が、総会目前に迷走を続けている。
シャッパ締め切りの十六日に提出された中沢会長のシャッパ。会長以下十四人の名簿に、永松大分県人会長は第二書記として名を連ねていた。
中沢会長への対抗シャッパ提出を目指していた吉加江ネルソン副会長と、中沢会長の双方からシャッパ入りを依頼されていた永松大分県人会長は、一旦は中沢会長のシャッパに入ることを了承、十六日に選挙管理委員会に提出されたシャッパにも名前が含まれた。だが、二十一日に開かれた大分県人役員会で「県連を二分しかねない今回のシャッパに入るのはどうか」との意見が出されたことなどから、一転して辞退を決定。
二十二日付けで選挙管理委員会に提出した書面には〈二十一日の役員会において、大分県人会はこの選挙で中立を守るということに決定しました〉などと第二書記の辞退を正式に通達。羽田委員長は二十四日に受理した。
中沢会長のシャッパには、十四名の役員に加え補欠として石井長野県人会長の名が記されていたことから、選挙管理委員会では石井会長にシャッパ入りの意志を確認したところ、同会長は「副会長としては無理だが、書記ならば」などとして繰り上がりを受け入れた。
これにより、中沢会長のシャッパは辛うじて、定款が定めた十四人の定員を満たすことになる。ただ、中沢会長のシャッパに含まれた人選には大きな疑問が残る。「会長任期も今年いっぱいなので、副会長は無理」と語る石井長野県人会長を始め、「会長としての仕事は無理。常時、代理を認めないなら県連を脱退する」とまで代表者会議で名言した丹生登長崎県人会長、ほとんど県連の活動に参加せず、顧問さえ顔がわからないといった顔ぶれまでをかき集めてシャッパに加えた感さえある。
二十四日夕方、選挙管理委員会は羽田委員長を含む委員五人を招集し、事態を協議。永松大分会長が辞退した中沢会長のシャッパについて、改めて今後の対応を話し合った。
元々は、中沢会長のシャッパを○×式で信任する方針について、選挙管理委員会は弁護士に法的に確認し、単独シャッパの信任投票に問題がないことを確認した。二十六日の総会当日にまず、シャッパを信任投票してもらった上で否決された場合には、改めて選挙を実施。先日提案した十人の記名投票による上位順という方式は改め、まず会長を選出、さらに副会長以下を選ぶことにした。羽田委員長は「県連のあり方を世間にキチンと示すためにも、きちんと総会で会長らの意志を問いたい」と話している。
また、元会長ら顧問が投票権を持つことについても議論されたが、定款通り選挙権を行使する、と結論付けた。
ますます混沌の度を深めつつある県連の役員選挙。辞退者が出たことによるシャッパ無効という前代未聞の醜態は避けられたが、いずれにせよ県連の権威の低下は免れない。