3月30日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十一日】肝炎は「二十一世紀のエイズ」と呼ばれる。C型肝炎感染者はすでにエイズウイルス感染者の七倍に達している。
ブラジルでは三百万人がC型肝炎に感染していると
保健省は予測。サンパウロ市では感染者が十四万人に上り、罹患率は一・四二%。六十歳以上の罹患率は三・五%に上昇する。感染者の八〇%は感染を自覚しておらず、感染が判明した人の四〇%以上がどのように感染したのか身に覚えがない。
サンパウロ市の死因を追跡調査するプログラム(ProAim)のデータによると、十五歳から六十五歳までの年齢で、九六年から〇三年の間に肝炎が原因で死亡した
人の数は、心臓病、犯罪に次いで多い。
血液を通して感染するC型肝炎は九二年に存在が確認された。それ以前に輸血したり、消毒が不十分な注射器を使用した人は感染者である可能性が高い。また、同じ爪切り、カミソリ、髭剃り、歯ブラシを使用した人、ピアス、イレズミをした人も感染した恐れがある。エイズウイルスと違い、肝炎ウイルスは微量の血液があれば体外でも七十二時間生存できるため、歯科医院や病院でも感染する危険がある。
C型肝炎感染者のほとんどは頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状が現われず、感染してから二十年ないし三十年後に発病することもある。その場合、肝硬変や肝臓ガンにまで病気が進行している場合が多く、治療法としては肝臓移植しか残されていない。末期段階にある患者の四〇%が移植用の肝臓を手に入れる前に亡くなるという。早期段階ではインターフェロンが治療薬として有効とされる。
NGO団体は、十年前に政府はエイズ検査の際にC型肝炎の検査も実施すべきであり、政府の対策は不十分だったと非難している。