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大統領側近は少数精鋭で=船頭多くして船山に登る=ボトランチン グループ顧問 モラエス氏が進言

4月1日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】ボトランチン・グループのアントニオ・E・モラエス氏は記者団の質問に答えて次のように述べた。現PT政権は、大統領側近が多すぎる。船頭多くして船山に登るが、現政権の姿だとした。

 
 ブラジルは伝統的に政権が交代するごとに、先ず試行錯誤をし政治が始動するまでに時間がかかる。ブラジルがどんな所であるか事業経験者は熟知しているが、政治家が連れてくる政府高官は処女航海の船乗りばかり。迷惑するのは国民。
 よい政治家で、かつよい政策実行者であることは困難ではない。しかし軍政時代、政策実行はよかったが政治が大したことはなかった。雇用創出が困難なのはグロバリゼーションが原因で、大統領の公約だけでは無理な話だ。失業者は、欧米でも溢れている。
 失業の解決策は産児制限。北東伯地方では子供を五人、八人養っているのが普通だ。どうやってブラジルは、この子供らを生産性の高い人材に教育するか。生産性がなく生活能力もない人に、生活扶助をし続けるか。
 提案を二つ。第一は省庁改革。無能な閣僚にも、お鉢が回ってくれば就任する。全員が無能とはいわないが、無経験者が多く政治が空回りしている。無能閣僚のツケが大統領府へ行く。そこでも同じことをしている。政府がするべきことは、無能な側近を減らし少数精鋭主義にすることだ。
 第二に雇用キャンペーンを行う。現在は中央銀行の通貨政策により、企業家は労働者に毎日八時間労働させるより、自分で金融市場へ行って毎日五分間取引して楽するよう指導している。これが、ブラジルの政治の根本的間違いだ。企業家に雇用と生産を、推奨することを忘れている。
 次に環境問題。環境関係者が、全ての面で産業発展の妨げになっている。環境専門家は、頑迷固陋で視野が狭く会話の余地がない。政府は環境と発展が共存できるヴィジョンを持った有能な人材を、環境相に充当すべきだ。これは無能ではなく、無益な問題を引き起こしているからだ。
 現在のブラジルでは開発と発展に挑戦する人間より、邪魔する人間の方が多い。デルフィン時代は、ブラジルの未来を信じて推進する力があった。そして、ブラジルの奇跡が起きた。軍政は褒められないが、経済は発展した。今は民主主義だが誰も解決しないし、やろうともしない。ただ目標を掲げて、終わりだ。
 ブラジルは過去五十年、世界が四%も経済成長する中、一%に留まった。どの財務相も、生産をなおざりにしてきた。ブラジルが時代の進歩から取り残されたのは、教育の不在が原因。歴代政権は時代が要求する人材の育成をしなかった。教育は保健よりも重要。しかし教育の成果が表れるのは、二代目から。人材の育成をしない国家は、衰退し存在さえしなくなる。