4月2日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日、一日】サンパウロ州(サンパウロ州)の警官は殺しすぎる――。二十七日、マルセーロ・G・シウヴァ軍警兵士(二七)がアルバイト先の店長ら四人を殺害、三人を負傷させ、本人も包囲した軍警に射殺された事件が発生した。その後の捜査で、同軍警兵士がほか六人の殺人事件に関与していたことが明らかになり、サンパウロ州の軍警・市警による容疑者を含む一般市民の殺害が再び増加している実情が浮き彫りとなった。
〇三年に軍警が殺害した容疑者の数は八百六十八人に達し、過去最高の千四百二十一人を記録した九二年以来の大人数となった。九二年には、サンパウロ市カランジルー刑務所で軍警による服役囚虐殺事件があった。
容疑者殺害だけが問題ではない。警察の検挙率や銃器押収率も低下している。〇三年のデータを〇〇年と比較してみると、検挙率は一七・七%、銃器押収率は一・六%低下との結果が出た。つまり、警察の活動は以前より鈍くなっているにもかかわらず、殺害者数だけは増加しているのだ。
しかもサンパウロ州保安局は〇三年から、警官が殺害した事件の完全なデータに警察聴聞局がアクセスすることを禁止しているので、現状は発表されている統計よりさらに悪化している可能性もある。
サンパウロ州保安局は、警官による殺害事件の詳細は発表していない。統計に表れるのは「容疑者が抵抗したので殺害した」というケースのみである。このケースは〇三年、前年比で二九%増加している。
警官による容疑者殺害件数が、犯罪発生率と比例していない点も懸念される。虐殺事件のあった九二年、軍警は千四百八十一人を殺害したが、大サンパウロ市圏で発生した殺人事件数は四千九百八件(九〇~〇三年間で最少)で、強盗事件も六万六千五百二十件(同期で二番目に少ない)と、犯罪件数は例年より少なかった。
軍警が八百六十八人を殺害した昨年は、強盗事件が十七万五千件と同期で過去最高だったが、殺人事件は七千三百一件で同期で六番目に少ない件数となった。
それに反比例するように同年、死亡した軍警官の数はわずか十九人と、九〇年以来の最少人数を記録している。
警察監察局は〇三年、軍警・市警の内部監査を厳しく実施し、解雇された問題警察官数は〇二年と比べて六六・九%増えた。サンパウロ州検察局もこの不祥事を究明するため、軍警・市警の過去二年間の殺害事件を捜査している。