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富の寡占化が進行=2.4%が33%の資産所有=中流減少、上下層が増加=資産家はサンパウロ州に集中

4月3日(土)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二日】コルテス出版社は一日、「社会疎外者白書」を発表し八〇年以降、ブラジルで富の寡占化が進行していることを明らかにした。現在全世帯の二・四%が全資産の三三%を所有している。資産階級の五〇%は、サンパウロ市やリオデジャネイロ市、ベロ・オリゾンテ市、首都に居住する。サンパウロ市は資産家が増加し、リオ市は減少した。同時期に下層階級も一八%増加した。一九八〇年と二〇〇〇年の国勢調査に基づいて、調査は行われた。

ブラジルの八〇年代と九〇年代の二十年間は、経済の低成長と金融危機で揺れた時期であった。一方で同時期に、資産階級は一・八%から二・四%へ増加。月収一万九百八十二レアル以上の世帯は一九八〇年に五十万七千六百世帯あったが、二〇〇〇年には百十六万二千百六十四世帯に増加した。
 国内総所得に対する資産階級の所得の比率は二十年間に、二〇%から三三%へ増加した。この数字は、国民の資産の寡占化を示している。一方で下層階級も一八%増加し、中流階級が一七%減少した。ピラミッドの底辺は、大きく広がった。
調査は、ブラジルのどこに宝島があるのかを物語っている。全資産家の五八%に相当する六十七万四千四百五十五世帯が、サンパウロ州に居住する。資産家の割合は三七・八%から五八%へ増加した。リオデジャネイロ州は十万一千五百十三世帯で、一九・三%から八・七%へ減少。続いてミナス・ジェライス州が、六万七千六十九世帯。南大河州四万九千二百八十四世帯。その他、各州で少しずつ増えた。
 資産家十世帯のうち、七世帯が南東地域に居住。二十年前は、六世帯であった。南部地域は、資産家世帯が一三・七%から一〇%へ減少。北東地域は、九・四%から七・二%へ減少。その他地域は変化なし。
 都市ではレシフェ市の資産家世帯数が、六位から十位へ。サルバドール市は、八位から十四位に落ちた。サントアンドレ市は十五位から五位へ、サンベルナルド・ド・カンポ市は十六位から八位へ上がった。
 資産家が多数居住する全国百都市の中に、サンパウロ州は四十七都市が並ぶ。南大河州が七都市。リオ、ミナス、パラナ諸州が各六都市。サンタカタリーナが四。ペルナンブッコが三。バイア、エスピリット・サント、ゴイアスが各二。
 資産階級の平均月収は、二万二千四百八十七レアル。全国の勤労者平均月収の十四倍。下層階級の平均月収の八十倍。また全世帯の〇・〇一%に相当する超億万長者五千世帯の資産は、国内総生産(GDP)の四六%に相当し、金額にして六千九百十億レアルに上る。
 資産家のプロフィールは、九一・三%が白人。八・七%が黒人または有色人種。六七・二%は大学卒。六〇%が男性、四〇%が女性。職業では四〇%が民間企業の高級管理職。経営者は二八・五%。自由業は一八%。政府高官は一二・八%。