4月3日(土)
日本政府の「草の根・無償資金協力」により建設が進められていた日伯福祉センターの開所式が三十日午前十一時から、ジャカレイ市のコチア農業学校内であった。これはオイスカ・ブラジル総局(高木ラウル会長)が申請し、二〇〇二年三月二十五日にサンパウロ総領事館より十万五千九百四十五レアルが贈与され建設したもの。センターは事実上、保育園で周辺地域の主に幼児を対象にした教育施設となる。
式典には佐藤宗一首席領事、マリア・クリスチーナ・マシャード副市長、オイスカの高木会長、渡辺忠理事など百人以上が出席した。佐藤首席領事は挨拶で「どんなに小さな援助でも教育から始めないとうまく行かない」と、プロジェクトの趣旨を称えた。
センター周辺はバラック建てが多い貧困地帯で設備の整った保育園などなかった。四百六十平方メートルの建築面積を誇るセンターには屋外遊戯場を完備。南米諸国から農業学校に来ている研修生によるスペイン語会話授業、ポルトガル語のアルファベット学習といった教育プログラムも用意され、地域住民にとって又とない贈り物となった。
同センターを設計したヒラノ・カンジさんは「正面玄関を五角形、そこから幾何学的にサーラを配置して迷路のようにつくってある。全て違った形をした部屋は、園児が型に捕らわれない自由な発想や遊び心を育てるのに最適な設計となっている」と説明した。
当面の運営はノウハウをもっているオイスカを中心に、財政面はジャカレイ市役所、教育面ではカルメリッタ修道院が担当する。
記念の植樹は来賓のほか、園児や研修生も協力して一緒に行った。昼食はシュラスコやホットドッグ、それに学校で養殖しているカエルの空揚げなども振る舞われた。