4月6日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】四月一日にブエノスアイレスで行われたFTAA(米州自由貿易圏)交渉が行き詰まった後、ブラジル政府は事実上、同交渉を断念する決断を下した。
バルボーザ元駐米ブラジル大使はブエノスアイレスでの交渉行き詰まりはブラジルの強固な態度ではなく、米国の融通のなさによるとみている。
ブラジル政府はFTAA交渉を断念する決断を公式には認めていない。FTAA副代表国の地位は継続されるが、今後、外交努力は新しい貿易交渉に向けられる。
メルコスル加盟諸国とともに、政府は三十カ国を超える発展途上国と自由貿易協定の締結を急ぎ、EUと進めている貿易交渉をまとめ、カナダとも交渉を開始する考えだ。米国とは十一月の大統領選後に交渉を進めるとしている。
政府が交渉を優先する国として、アンデス、中米、カリブ諸国、南アフリカ、中国、インド、モロッコ、エジプトが挙げられている。これらの国への輸出総額は〇三年に約百五十八億ドルに達し、米国への輸出総額百六十七億ドルに肉薄している。
メルコスルは九六年にチリと締結した自由貿易協定を、サービス、投資分野も含めるように見直し、メキシコとの優遇関税協定の品目拡大を目指している。