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小中学生数を水増し=全国で28万3千人=予算獲得に”幽霊生徒”

4月7日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】教育省が昨年の「学校調査」を監査したところ、全国の小中学生二十八万三千人の水増しが確認された。
 水増し生徒数は、昨年八月に発表された統計と、今年一月から開始される様々な教育関係プログラムの予算を見積もった公式データの発表までに「消えた」生徒の数を意味する。
 バイーア州は全体の六九・三%に当たる十九万六千二十六人の水増し数が確認された。ピアウイー州のサント・アントーニオ・ドス・ミラーグレス市では生徒数が全人口千九百五十三人を上回る、千九百九十六人を数えた。パラー州のある学校では実際の生徒数が七十倍に増やされていたという。
 今年の水増し数は〇一年の七万七千五百五十一人、〇二年の九万九百三十二人よりはるかに多い。〇二年から〇三年にかけてその数は二一一%増加した。
 生徒の水増し数は〇三年の小中学生総数三千百十万人と比べると少ないが、教育省は水増し数が低く見積もられているとみる。全国に広がる二十一万二千校すべてを訪れて生徒数を確認する体制がないからで、昨年に教育省は三千二百二十二校に監査を行ったが、この数は全体の一・五%に過ぎない。
 教育省が各州と市へ配分する各プログラムの予算は、「学校調査」の生徒数に基づいて算出されるため、生徒数の水増し報告は学校運営者が予算を多く獲得する一つの方法となっている。
 よく知られるプログラムのFundef(小中学生一人当たりに支給する費用を定める基金)は、生徒一人当たり年間、一年生から四年生までは五百三十七レアル、五年生から八年生までは五百六十四レアルを支給することを定めている。
 調査責任者は、政府は生徒数の水増しを確認する体制の構築に取り組んできたが、最もよい方法は不正の告発などを通して、地域社会が確認に協力することだとコメントした。