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ルーラ神話は崩壊か=大衆迎合への可能性=E・ジャネッテ氏、悲観予測=アングラ経済激増

4月7日(水)

 【エポカ誌】経済学者で哲学者のエドァルド・ジャネッテ氏はPT政権が〇四年、経済成長率を四%以上に保てないなら国民をPT支持につなぎ留めるため、財政と通貨政策のたがを緩めて混乱を招く可能性があると警告した。

 以下は、記者会見に応じた同氏との一問一答。
 【ジニス不祥事以後のPT政権は】これまでPTが培った信頼を、改革や建設的なことでなく無益なことに浪費した。PTの信頼性は他党と違わないという印象を国民に与え、PT党幹部も狡猾であることを見せた。
 【政治と倫理の共存は】理論的には可能だ。ブラジルでは、政治手法と憲法の精神が混同されている。民主政治の国では政治の場の交渉の手段として、妥協や交渉条件、見返りは付き物。しかし、ブラジルには法の精神が存在しない。交渉の対象になるものと、ならないものの分別がない。
 【実例で説明すると】中央銀行の独立権限だ。独立性が認められると、党や政権の利害で中銀は動かなくなる。別例では賭博の合法性。合法化すれば、悪徳政治家の資金源にならない。ビンゴを禁じた政府のやり方は拙劣。資本家の投資を阻害するし、唐突な禁止は専制的で倫理にも反する。これで賭博業者は地下に潜り、悪政の温床になる。
 【中銀の独立で変わるもの】これは経済学の域を越えたもので、PTが想像していることとは異なる。全てを計画通りに行った場合、ある程度までは現在の延長で国の金融政策に安堵感がもたらされる。悪くすれば大きな力の中に国家経済が取り込まれ、想像もできない深刻な問題が起こる。
 【悪くすればとは】インフレ率を差し引いた実質金利が年八から九%として、経済も順調に成長する。殊に選挙が近くなると党や政権は、人為的に景気を刺激するため通貨や財政政策を緩める。ここに中銀の独立性に対する連邦令の干渉がないなら政府は必要策ができない。この現象を放置すると、バブル経済が発生する。政権は調子に乗って、権限を大幅に拡大する。結果は収拾のつかない経済破綻となる。
 【ルーラ神話は崩壊か】まだ過渡期にある。今年の経済成長率はうまく行って三から四%。これを割ると国民のPTへの期待外れは失望感に変わる。期待外れのショックが大きければ、政府は大衆迎合主義をとる可能性がある。
 【大衆迎合主義とは】政府は需要喚起のため、基本金利を下げる。財政黒字の努力を緩める。国内総生産(GDP)に占める債務は膨れ上がる。公共債務は国債化する。当然、通貨の暴落が起きる。結果は国民が諸物価の高騰に悩む。
 【その回避策は】政府は経済成長にもっと真剣に取り組むこと。会社更生法の整備により投資を奨励し、電力投資への規制はより現実的であるべきだ。時代遅れとなった司法制度の改革も必要。税制改革は産業の発展に逆行している。社会保険融資納付金(Cofins)の増額は時代錯誤の骨頂だ。
 【経済政策は無効か】国民の期待に添う経済成長ができないなら、国家経済は崩壊する。国家財政は現在、GDPの三七%を税収とし、基礎収支は五%近い赤字となっている。これはGDPの四〇%が、税金で占められていることを意味する。それでも政府は、インフラ整備への投資ができないでいる。
 【このまま行ったらどうなる】日々アングラ経済が激増し、脱税が日常茶飯事になっているのに、政府は事態の深刻さが分からない。企業は生き残るため、生活の知恵が必要だ。最後は無政府状態の利己主義社会になる。ハイテク技術と豊富な資金を持った大企業とアングラ企業だけが生き残り、中流階級の中小企業は消滅する。この両極化現象が進行中だが、政府は無為無策で関心を示さない。
 【労組も同罪か】雇用の消滅やアングラ経済の増長など労組の眼中にはない。労組の関心は少数労組貴族の利害と大企業の動向だけ。大サンパウロ市圏では労働契約をしている正規労働者よりも、アングラ経済で自家用車を手に入れた者の方が多い。

 

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