緊密化する伯米関係=ブラジルは南米地域安定の鍵
4月7日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十九日】ルーベンス・バルボーザ駐米前ブラジル大使は二十八日、最近ブラジルへの対応で米政府に変化が見られることを明らかにした。同大使は前政権から駐米大使に任命され、現政権でも留任した。
外交官キャリア四十年のベテランで、通商活動から文化活動と幅が広い。これまでの駐米大使が持たなかったパイプを、米政界に持っている。同大使はサンパウロ市に、同僚二人とともに国際問題コンサルタント事務所を開設した。退官後は、名誉職からビジネスの世界で活躍する考えだという。
伯米関係は、これまでの外交辞令的な関係から親密な個人的関係へ入りつつあると同大使は、次のように語った。両国首脳は常に電話連絡を取り、同時に閣僚らの実務会議も多くなった。両国間の米州自由貿易圏(FTAA)交渉で最大の難問は、農業補助金の問題ではなく米国の国内問題いかんにあるとした。
FTAA交渉で起きた行き詰まりも、雪解け時期に入り政治的関係には影響しない。PT政権の強硬態度で無力感が漂ったにもかかわらず米国は、ブラジルを南米地域安定の鍵とみて、同盟国扱いする考え方が定着しつつある。
米政府もブラジルと、南米地域の外交問題で常に連絡を取り合っている。ブラジルを特別扱いしたのではなく、見る目が変化したのを誤解してはいけない。よい例が一九九九年、米政府が保証した国際通貨基金(IMF)のブラジルへの大口融資容認だ。
民主党が政権を獲得したら、保護主義を強く打ち出すことは予想される。しかしケリー候補が大統領選に当選しても、対ブラジル政策は変化しない。イラク武力介入では同盟国の中で一番乗りで反対を表明したブラジルだが、伯米間はそんなものを超越している。
両国間の懸案は農業補助金だ。これは大統領選が終わるまで、交渉は困難と思われる。農業補助金は、過去三十年間に渡って両国間の貿易に支障を来した。この問題は米国を責めるだけでなく、ブラジル自身もなぜ国際競争力が衰えたか考える必要がある。
それからブラジルの貿易関係者は、米国市場をよく理解していない。ブラジルの輸出品の六〇%が、ゼロ関税またはそれに近い税率で米市場へ出荷されていることを忘れてはいけない。ブラジルが学ぶべきは、ブラジル・コストの低減と積極性だ。