4月7日(水)
【東京支社】三月二十五日から大阪市吹田市千里万博公園内の国立民族学博物館で、特別展「多みんぞくニホン―在日外国人のくらし―」展が始まった。
各国の衣食住をはじめ学校、仕事、家庭、コミュニティーの行事などを写真や映像を通して紹介。会場には住まいや雑貨店、エスニック・ショップなどが再現され、「ニホンの多民族化」を肌で感じとれるよう内容となっている。国立民族学博物館の企画。
近年、日本でも外国人と触れ合うことは決して珍しくなくなった。外国人登録者数は今日百八十万人を数え、その人口比率は一・五パーセントを占めている。
これまで在日外国人の大半を占めてきた韓国・朝鮮人、中国人に加え一九八〇年代以降は、ブラジルを中心とする中南米の日系人、フィリピンなど東南アジアからの移住者が急増しているのが目立つ。
日本は共生の歴史が浅いため、さまざまな摩擦や誤解が生じた例があったし、外国人を受入れる社会体制の立遅れが露呈したことも過去にあった。だが、いまは自治体、NGO、NPOの働きで、日本社会では外国人との共生化が着実に進んでいるといっていい。
外国人の活発な活動は地域経済に大きな貢献を果たしているうえ、文化的交流も各地で積極的に行われ、日本発展の新たな原動力となっている。今展ではこうした在日外国人の姿を通し日本の多民族化の軌跡と現状を実感できる。
六月十五日までの期間中、さまざまな関連イベントが行われる。在日ブラジル人に関しては五月十五日、「在日ブラジル人のエンタテインメント」と題し、武蔵野大学で教壇に立つアンジェロ・イシ氏、民族学教授の庄司博史氏の両氏が語る。