4月14日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ブラジリア大学の入学願書提出初日は、黒人への入学定員枠割当制度が受験者の間でまだ論争の種となっていることを如実に示した。
同大学は今年度入試で初めて、定員の二〇%を黒人に割り当てたが、割当制度を悪用しないためのルールを設けた。願書提出の際、割当制度の適用を望む志願者は、同大学の入試委員会が黒人であるかどうかを判断するために写真の撮影を義務付けられる。
「黒人には二百タイプある。もし黒人と認められなかったら、裁判所に訴える」と化学学科に三度目の挑戦をするリカルド・ザンシェットくん(一八)は話した。彼は自分の顔立ちが黒人のそれとは似つかわないことを知っている。「そんなことは気にしない」。割当制度に抗議するため、顔を黒く塗って写真撮影に行くことも考えたが、頭を冷やして思い直したという。
ヴィヴィアーネ・R・デ・ソウザさん(一七)は割当制度の適用を申請する前に何度も考えたと打ち明けた。ジャーナリズム学科を志望するヴィヴィアーネさんは合格した場合、同級生に差別されないかどうか心配する。割当制度は努力した受験生の合格を妨げるため、不公平な面があると彼女は考える。
アンデルソン・R・ナシメントくん(二〇)は不公平とは考えない。割当制度が歴史に培われた不公平さを改善し、労働市場、特に弁護士や医師といった人気の高い職業への黒人の就職を拡大すると彼は確信する。エジマルシア・R・アラウージョさんもこの制度が不公平さの解決方法だと信じて疑わない。
「私の祖父母は黒人だから、割当制度を利用するけど、正直言って、それが正しいかどうか…」とジュリア・メーロさん(一八)は語った。ブラジリアの有名私立高校に通った後、経営学科を目指して予備校に通うジュリアさんは「私と同じ学習機会を持つ白人の受験生は多くない。経済力を基準にする方がもっと公平でしょう」。