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公共投資は国家資産=政府、会計処理変更を提案

4月14日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】政府は国際通貨基金(IMF)に対し、インフラ整備への資金投下を国家資産として会計処理する提案を行った。IMFは十一日、同提案に対し難色を示す回答をしてきた。IMFと合意した財政黒字を計上するために政府は、財政投融資の大幅削減を行った。
 インフラ整備への資金投下を極端に削減をしたのは、ブラジルのほかチリ、ペルー、ボリヴィア、アルゼンチンなどで、経済成長が著しく損なわれ、しかも低成長が長期に及んだ。そのため福祉政策に多大な支障を来し、社会不安を起こす原因となった。
 しかし、IMFはインフラ整備への投資削減が、社会不安につながったとする考え方に疑問を持っている。IMFは、国内総生産(GDP)に応じた資金投下の削減を提案した。従って、同資金投下を経費として会計処理を行う従来の手法を変更する考えはないと、IMFは表明した。
 IMFは会計処理の変更は慎重に検討するとし、同資金投下前の収支状態を調査するという。公社や公団の財政政策と営利性について、南米地域全体で調査を実施。同資金投下の生産性や優先性が、どのように評価されたかも検討する。債務総額とカントリー・リスクの関係も調べる。
 IMF代表は、ブラジルが直面している問題を解明すると述べた。産業規模と公共投資の割合や資金力との兼ね合いが調査される。南米諸国は会計処理法で先進諸国に差別されていると抗議するが、途上国は財政収支の管理が拙劣で、借金体質から抜け出せないのをIMFは懸念している。