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イタペセリカ 金閣寺、行楽客増える=ドラマのロケ地が好影響

4月14日(水)

 整形外科医とヤクザの恋愛を描いたドラマ、「メタモルファーゼ」(レコルド局)がスタートして約一カ月が経つ。チズカ・ヤマザキ監督がガイジン2の製作に専念したいと降板。視聴率も当初の一一%から五%に落ち込むなど、不安定な状態が続く。一方、ロケ地となったイタペセリカ金閣寺は、来客数の伸び悩みに頭を痛めていたが、ドラマの効果で行楽客が増加。恵みの雨になっている。
 日本的な空間を味わえる場所であるとして、阿久根ローザさん(管理担当者)が新聞、雑誌、テレビなどメディアに売り込んだ。それが、製作者の目に止まって、ロケ地に選ばれた。
 撮影は一回きり。三月十二日に行われ、朝早くから夜遅くまで、休憩なしで続いたという。
 ヤクザが室内で会議、手下が機関銃を持って屋外で護衛に当たるなど、イメージ・ダウンにつながり兼ねないシーンだった。ふたを空けてみれば、多くの行楽客で賑わい始めたのだ。
 「見たことのない顔が、最近目立つんですよ。ミナス・ジェライス州からわざわざ、見にきたという人もいました」と関係者はドラマの効果を喜ぶ。
 一時は経営難に陥り、経費削減にも苦慮していた。阿久根さんは「収入が増えたので、維持管理が少し楽になりました」と胸を撫で下ろしている。
 ドラマ自体の人気は低迷。ヤマザキ監督のほかに、デル・ランジェル製作課主任、俳優のマリオ・プラッタ、ジョゼ・オウゼイロが離脱した。
 現実の手術現場が生々しく映し出され、八時台のドラマとしては不適当ではないかと指摘を受けている。