4月21日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十二日】ローマのイタリア検察庁は十一日、前国会対策副委員長のジニス氏に関する報告書にブラジル国内でのイタリア・マフィアの活動レポートを添付して、ブラジルの検察庁へ送付した。
レポートによれば、イタリア・マフィアはブラジルにスロットマシンを持ち込み、賃貸するために千七百万ドル(四千九百十万レアル)を投資した。
スロットマシンのネットワークでは、国際麻薬密売組織のために不正資金の洗浄が行われていたとしている。これにジニス氏も、一枚かんだという。ジニス氏がPT政権に入った〇三年、同氏の疑惑については証拠不十分で裁判所が審理を打ち切った。しかし、イタリア検察庁のレポートでは、新しい事実が浮上した。
これまで大量の証拠書類が押収されたが決め手になるものがなく、裁判所は犯罪を立件できないと却下した。新しくイタリアから送付された書類は、容疑者らに無罪判決を下し、解決済みとなった事件を蘇らせるものとなった。
二月の尋問でゴイアス州の賭博業者二人が、リオの賭博業者ラモス氏とマフィアのオルチース氏は共営で会社を設立したと証言。ラモス氏は、それを否定した。このネットワークで欧州向けに密売された麻薬代金を洗浄したと、レポートは記録。不正資金の洗浄組織は、南米から中米、中近東の資金をも扱った。
レポートに記載されているブラジルの資金洗浄が目的のビンゴ関係企業は、ビンゴマチック、ベタトロニック、ネヴァダ・ジヴェルソン、アストロ旅行社など。どれも背後に、国際麻薬組織で暗躍するパレルモ出身のイタリア・マフィアが関係している。
イタリア検察庁は、ブラジルの同ネットワークからの十億リラ(三百万レアル)不正送金についても証拠書類を添付した。同ネットワークの一角を占める英領ジャージー島の代理店は、JEBRA(ブラジル国内の不正資金取り扱い代理店)となっている。
組織が専ら資金洗浄に使った手口は、不動産取引と銑鉄の貿易、果物輸出、カジノ、機内食の五方法だ。マフィアの弁護士は、再審理をしてもネズミ一匹出て来ないという。