4月21日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】サンパウロ大学(USP)のスザナ・ランネス研究員は十二日、
カカオに代わる新しい珍味チョコレートとしてアマゾン産のクプアスを〃クプレート〃の名前で商標登録を申請した。
これまでブラジル原産の特産品が、固有名詞で外国のせこい業者に商標登録された苦い経験がある。クプアスも、同様に狙われていた。同研究員は、クプアスをベースにした一〇〇%国産のクプレート製造法を開発した。
これでクプレートの名称は、使えないことになった。またカカオではないので、チョコレートの名称も使えない。登録されたのは名称と製法の調合で、同製法の使用には申請者の許可が必要になる。
クプアスは十年前、国立農業試験場(EMBRAPA)で新しいタイプの素材として発見され、同試験場はチョコレート製法の特許を申請した。しかし、いままで商品化されなかった。クプレートは独特の風味を持つチョコレートだが、脂肪分が非常に溶解し易いので副原料を混合して凝結度を高める必要がある。
クプレートは、次のように大別できる。ミルク分の多い白色クプレートと苦味の強い種、在来種だ。さらにカルシウム分の豊富なクプレートとダイエット用、天然クプレートなど。
ブラジルはカカオの生産地で豊富な原料を持ちながら、美味しいチョコレートを製造する技術がなかった。クプレートでも同じことが起きそうだ。日本の朝日フーズがEMBRAPAの申請したチョコレート製法特許を、すでにEUへ申請しており、さらに美味なチョコレートを開発する可能性が残っているからだ。クプアスは、カカオより生産コストが安価なのが魅力とされている。